Macbookと僕
魅惑のリンゴ
「あなたは、Apple製品をお持ちですか?」
多くの人が「持っている」と答えるのではないだろうか。
・大学生の時にiPodを購入した時。
・社会人の時にiPhone3Gを購入した時。
・4年前にMacBookAirを購入した時。
購入した時の高揚感は、今だって鮮明に覚えている。
特段Mac信者という訳でも無いが、Appleを”購入する”という体験に僕は魅了されているのかもしれない。
MacBookAir
4年前、MacBookAirを購入した時、僕はブラインドタッチはおろか、Officeソフトすらまともに使えなかった。
「エクセルって何?美味いの?」
「パワポっていつ使うねん?」
といった具合に。
なぜ買ったのか?聞かれたら単純明快で、「友達がSNSで自慢してたから」。
憧れていたんですね。ええ。
ネットサーフィンと、写真データを収容するためだけの古いデスクトップPCを見て、「もう買い替え時かな・・・」などと、知ったふりをして購入した。
ホコリまみれのデスクトップが、減価償却しきったのか、まだ現役で全然使えるのかも分かっていなかった。
当然ながら購入したMacBook Airは、搭載しているスペックもガン無視。確か、吊るしモデルの安い型を買ったはずだった。
それでも、ピッカピカのMacBook Airが届いた時の喜びは凄かった。
「MacBookを持ってる俺」
みたいな感じかな?多分、皆さんも分かるんじゃないかな。
・エルメスを持った時
・BMWを購入した時
・ダイヤのリングをもらった時
もしかしたら、モノの本当の価値よりも、その経験が一番の喜びなのかもしれない。
憧れのMacBook
さて、ようやく憧れのMacBookを手に入れた僕。
しかしながら、相変わらずネットサーフィンをする毎日が続いていた。
そもそも、スタバでMacを広げてコーヒーを飲んでいるチャンネーは、いったい何をしているのだろう?
ノマドワーカーと言われる人達は、なんなんだろう?
「PCがあればどこでも仕事が出来る」というのは都市伝説なんじゃないのか?
などと思いながら、せっかく手に入れた高級PCの威力を何も発揮に出せずにいた。
なんとなく「自分には不釣り合いだな・・」などとモヤモヤする事も。
ある時ふと、「タイピンングを練習してみようかな・・」なんて思った僕。
タイピング練習のサイトを見つけ、夜な夜なカタカタカタカタキーボードを打つだけの練習が始まった。
ただひたすらに、無意味な文章をMacBookに打ち込む毎日。
生産性など全く無い。無秩序に並んだ文字を、ただただPCの画面に叩き出すだけ。
それでも、必ず毎日2時間ほどタイピングを練習した。
2ヶ月後、ある程度のレベルになっていた。そして、初心者MacBookerは既に練習に飽きていた。
「次は何するべか?」なって、WordとExcelの勉強を始めた。
Wordは何となくは使った事があったが、Excelはサッパリ。
・「セルってなんや?」
・「おーとさむ?は?」
・「プルダウンって美味しいんか?」
と、いつもの様に。
それでもWordとExcelの教材を購入し、少しづつ進めていく日々。
正直に言えば、この教材は両方とも最後までやっていない。結構序盤で投げ出した。
だがしかし、それでも仕事には使えるくらいには成長していた。
今まで仕入れ伝票を手書きしていたのを、全てエクセルシートに納めた。
驚く事に、それまで調理場では手書きで数字を書き入れては数日ごとに全部計算をやり直していた。
その作業に入ると、最低でも1時間、下手すると2時間以上集計作業をしていた。
嘘みたいな本当の話だ。
この現代において、そんなスーパーアナログな作業をしていたのだ。
エクセルに入れ替えて、そのストレスは全く無くなった。
誰でも数字を入れるだけで勝手に集計される。
その作業をやっていた料理人からは、「めっちゃ良いじゃん」って。
つまりね、僕は使い方を知らなかった。他の人達は、全く知らなかったというお話。
多分、普通の社会人なら「そんな事もできないの?」と驚かれるかもしれないが、我々板前の多くは料理の事以外はサッパリな人がほとんど。
包丁しか握ってこなかった僕からすると、未知の世界だったのです。
振り返れば、MacBookに自分をアップデートしてもらったと思う。
モノに背中を押された様なイメージかな。
アップデートはいつだって
結局ね、今の自分を変えられるのは自分自身しかいないんだなぁって。
僕の場合は、初めて買ったMacBookAirがきっかけ。
それまで、「包丁技術を磨く事」「味を極める事」「盛り付けを華やかにする事」だけを向上させてきた。
もちろんそれも大事だが、板前としてではないアップデートも非常に大事。
・「美味しいものを作れる」
・「美しい料理を提供できる」
以外に何があるだろう?
MacBookを使って、タイピングを覚え、SNSを始め、ブログを書く様になった。そしてそれを4年続けた。
今の僕の大きな力となっているのは、紛れもなく「発信力」であると思う。
少なくともこの町で、僕より発信している板前はいないし、僕より発信している旅館経営者もいない。
4年前にPCを購入した事で、「アップデートしたい」と思い自分は変化してきた。だからやはり、きっかけは何だって良いのだ。
MacBookでも
Androidでも
Tiffanyでも
BMWでも
何だって良い。
今ある自分を変えられるのは今の自分だけで。
そして、今のままの自分でいて良いはずはなくて。
「現状維持は衰退」
僕の好きな言葉です。
一歩目を踏み出すのはツラいし、続けるのはもっと大変。
ちなみに、今この文章を書いているのは4年前に買ったMacBookAirではなく、最近買ったMacBookProだ。
更に自分をアップデートしたいと思って購入した。
またコイツに背中を押してもらう・・・と。
動画・チラシ・写真、やりたい事はまだまだある。
現状維持なんてクソ食らえ。今の自分は今の僕が変えてやるよ。
という、長い長い意気込み表明。
さっきね、動画編集が分からなすぎて投げ出しそうになったから、戒めでnote書いてみたよ。
がんばれ、自分。