下書きの下から十四番目
「美味しいおさけとごはん、たくさんの満たされるような言葉をもらったあと、一人になれないの、寂しい。ひとりでじっくり、ね。」
酔ってる。ここに書くのを迷ったくらい恥ずかしい下書き。
10歳くらい年上の知識豊富な男の人からご飯に連れて行ってもらった後のこと。
楽しかったけど、一人になりたくて仕方なかったんだと思う。
美味しいお酒とご飯があって、話を聞いてくれて、たくさんのことを教えてくれて、たくさん嬉しいことを言ってくれても、最後まで好きにはなれず。好きになれたらいいのになぁと思っていたから好きになることはないね。
村上春樹の本で、話を聞く、褒められるところは褒める、美味しいご飯を食べさせるということを、女性を落とす男の人へのアドバイスとして書いてあった気がするんだけど、(読み違いがあったらごめんなさい。そもそもこの三つじゃなかったかもしれない、、)本当にそうだな、と読んだときに思った覚えがある。
だけど、この下書きを書いた時、私はどこからも落ちていなかった。俯瞰的に、素敵な人だな、と思っただけで、同じ部屋にとどまることが苦痛ですぐに帰った。そういえば、あのアドバイスの最後には、ダメだったら諦めろ、があった気がする。あの時少しねとっと粘られたから好きになれなかったのかな。このエピソードはとるに足らないことだなと思う。
こんなことを考えていても、私は一目惚れしか信じていない。初めてあったときに、目が離せなくなるような、その人以外の周りの景色が薄れて行くような、少しめまいがするような感覚で一気に落ちないと好きだと感じられないみたい。