数珠丸恒次に会える 本興寺さんの虫干会
11月3日 文化の日
兵庫県尼崎市にある本興寺(ほんこうじ)の虫干会(むしぼしえ)で天下五剣の一振り「重要文化財 太刀 銘恒次(つねつぐ) 数珠丸」が一般公開されます。
数珠丸さんに会えるのは1年でこの日だけ。
本興寺と数珠丸恒次
本興寺は法華宗本門流の大本山。法華宗の開祖は数珠丸の元主 日蓮上人です。
数珠丸は日蓮が祀られている身延山(みのぶさん)の久遠寺(くおんじ)で鎌倉時代から大切に保管されてきました。
しかし江戸時代に突然お寺から姿を消してしまいます。
そして再び発見されたのは約200年後の大正時代。
競売に出されていたところを宮内庁の役人が見つけて買い上げました。
役人は数珠丸を久遠寺に奉納しようとしましたが、真偽が不明との事で受け取ってもらえませんでした。
そのため自宅近くの法華宗のお寺である本興寺に奉納されたそうです。
法華宗の宗祖 日蓮上人の愛刀
羽皐隠史の『註詳刀剣名物帳』によると数珠丸の名前の由来は以下のように書かれいます。
この太刀は昔、日蓮上人が初めて身延山を調査する時、山のふもとに住む郷士(武士)から護身用として贈られた。日蓮は太刀の柄に数珠をかけて山を登り、つつがなく調査をし、草庵(小さな家)を作る事ができた。故に数珠丸と呼ぶのである。
名刀を杖の代わりにしちゃう日蓮上人のマイペースさが可愛いです。
また日蓮はこの太刀を「破邪顕正剣(はじゃけんしょうけん)」と呼び愛刀としたそうです。
優美な太刀姿
数珠丸の特徴はなんと言っても優美な太刀姿。
武将の手に渡ることなく戦で使用されなかったため、茎(なかご)は打たれた時のままです。
天下五剣の中では刃長が1番長く、腰反りで美しい曲線を描く堂々とした姿。
刃文は直刃調に小丁子交じり。鍛えは詰んだ小板目肌。
鑑賞時に時間制限があり細かいところははっきり見えませんでしたが、上品で神秘的な雰囲気。
数珠丸は後鳥羽上皇の御番鍛冶を務めた備中・青江恒次の作とされていますが、地鉄や銘の彫り方などが青江恒次の作風と一致しないため備前・恒次の作ではないかという説もあります。
正体不明のミステリアスさがある数珠丸ですが、そんなところも魅了的。
この太刀を大切に保管にしてくれている本興寺さんに心から感謝します。
御朱印と記念品
虫干会は朝5時から開門し、宝物殿は9時〜16時まで、私は12時頃に到着しましたが、すでに境内を埋め尽くす程の人でした。
お参りをして宝物殿拝観の整理券を受け取りに行きます。(整理券はすぐに頂けました。)
御朱印は書置もありますが、手書きにも対応してもらえます。ご朱印帳を預けて、後から取りに行く流れです。
次に記念品の列に並びます。ポストカード、クリアファイル、栞など色々ご用意されていて、私は栞とお守り、図録をお迎えしましました。
拝観後、ご朱印帳を受け取りに行きます。
本興寺のご朱印はすごく格好いい!
参拝について参考にさせて頂いたツイートです。
ちなみに私はJR尼崎駅と阪神尼崎駅を間違えて大変でした。(結構離れている)本興寺さんの最寄駅は阪神尼崎駅です。