レミニセンス 記憶を扱ったSFは好み


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戦争や気候変動によって、地球の都市部が水没しつつある世界が舞台。
この手の映画が好きな人ならウォーターワールドを思い出すかもしれないが、北斗の拳的なヒャッハー世界を想像するかもしれないが、荒廃した印象は登場人物が言う程受けない。
これ多分、日本人なら誰しも思うのだろうけど、そんなに水が近くにあったら湿気で家具やPCおかしくなるってと突っ込んでしまうだろう。
酸性雨が降りしきるブレードランナーの世界の湿度もない。
ただ、まぁ物語を観ていくと、これでいいのかなぁと思う。
SF題材だけど、これファンタジーに近いのよ。近未来の荒廃やじめじめした湿気は、そぐわないので、わざとなのかと思う。
ヒュー・ジャックマン演じるニックは記憶を操作する機械に精通したエージェントで、これを使って人を治療して生計を立てている。
また、この技術を使って記憶潜入エージェントとして捜査に協力したり、時には違法な仕事を受けていた。
このへんはトム・クルーズ主演のマイノリティ・リポートを思い出して、ニヤリとしてしまう人もいるかもしれない。
軍人時代からの相棒のワッツと、いつものように記憶操作の機械を使って、客に過去の「一番良かった頃の思い出」を追体験させていた。
いざ、店を閉めようと思った時に一人の女性が訪れる、その女性を見た瞬間にニックは惹きこまれる何かを感じた。
機械を使って、女性が無くしたアクセサリーを見つけることが出来たが、彼女の記憶の先まで見てしまうニック。
彼女の名前はメイ。歌手だった。メイの歌声に酔いしれるニック。
深入りしすぎを危惧するワッツ。
やがて、ニックはメイと愛し合うようになるが、ある日突然メイは姿を消す。
ニックはメイを探し続けるが、金や陰謀、メイの知らない顔を知ることになる。
と、俄然ミステリーとサスペンス色が強くなる。
テーマ的には「一番良かった頃」の思い出に浸るのはいけないことなのか。
ということなんだけど、俺は良いと思うんだよね。
特に息子を戦争で失ったニックの友人が息子との思いでに浸るために通いつめるんだけど、仕方ないと思うんだよね。
そんな友人に無償で記憶の操作をし続けるニック。
ワッツ自身も自分のトラウマに向きあうことが出来なくて苦しみ続けている。
若者の物語ではないので、年齢層が高い人のほうが響く映画だと思う。
ただ、主人公のヒュー・ジャックマンとヒロインのメイのレベッカ・ファーガソンの圧が強すぎて、繊細な演技をしつつも「君らならなんとかなるんじゃない?」と思ってしまう(笑)
真相に近付くまでに長いけど、ロマンス、サスペンス、ミステリーが
好きな人にはオススメの映画。

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