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問題を解決したいなら”なぜ?を5回繰り返せ”~5Whysが教えてくれること~

皆さん、おはようございます!! 木曜日は、日常の中で気づいたことや、普段の会話から得た小さな学びを振り返る日です! 読者の皆さんと共有することで、新たな発見が生まれ、問題解決に繋がれば幸いです!ぜひ最後までお付き合いください。

(文字数:2569文字 所要時間:7分)



はじめに

皆さんは、トヨタの問題解決における思考法「なぜを5回繰り返す」をご存じでしょうか?問題の根本原因を特定するために用いる手法で、海外でも「5Whys」と呼ばれ、様々な場面で用いられています。

先日、職場の部下(正社員3名)が打ち合わせをしている際、こんな場面がありました。
ある問題に対して、正社員3名が「あーでもない。こーでもない」と議論していたんです。聞いていると直接的に関係ある原因や、ちょっと話が逸れちゃっているな~という原因など、様々な話が散らかっていました。
見かねた私がその議論の中に入り、話を整理しながらまとめていったんです。
何故?を繰り返しながら、問題の本質はどこにあるのか?を職員とともに話をしていったんです。


浴室で利用者が転倒。その原因とは

まずはわかりやすく説明するために、
5回のなぜ?を一挙に確認していきたいと思います。
※本来の会話の中では、一挙にではなく、一つ一つ細かく分析をしています。

1回目のなぜ?
Q:利用者はなぜ転倒したのか?
A:足元が滑った。

2回目のなぜ?
Q:なぜ足元が滑ったのか?
A:床が石鹸の泡で濡れていた。

3回目のなぜ?
Q:なぜ床が石鹸の泡で濡れていた?
A:洗体自立の利用者が流した後だった。

4回目のなぜ?
Q:なぜ自立利用者が流した後、そのままだった?
A:職員の確認が出来ていなかった。

5回目のなぜ?
Q:なぜ職員の確認が出来ていなかった?
A:多忙でもあり現場の状況確認する余裕がなかった。

はい!いかがでしょうか?
介護施設では~あるある~の状況ではないでしょうか?
このように、一つ一つの状況に対して、「なぜ?」を繰り返すことで、問題の根幹に辿り着くことができるんですね。

もし、この5Whysの解決手法を使っていなければ、介助の仕方や利用者の動線確認等、様々な問題に逸脱してしまう可能性が高いんです。
まずは一つ一つのなぜ?を確認しながら根幹に落とし込んでいく作業が必要です。
では、次の章からは、もう少し細かく分析していきましょう!!!

第1のなぜ?「なぜ利用者は転倒したのか」

転倒当時の利用者状況や介助状況の確認を行ったところ、
・利用者は自立であり、見守りでの移動が可能。
・職員は基本的に遠位見守り。
・利用開始から2年、ADLは変わらず、転倒歴なし。

という状況でした。
この時点では、職員や介護方法が直接の原因ではないことがわかり、さらには「足元が滑ったのではないか。」という結論にたどり着きました。

第2のなぜ?「なぜ足元が滑ったのか」

最初に駆け付けた職員に聞き取りを行ったところ、当該利用者の動線上の床が濡れており、「石鹸の泡が残っていた」という状況が見えてきました。
ADL自立で転倒歴もない方であるため、この石鹸の泡が問題なのではないか?という原因が見えてきました。

第3のなぜ?「なぜ床が石鹸の泡で濡れていたのか」

事業所の入浴介助業務において、シャンプーや石鹸で体を洗った後は、しっかりと床を流すというシステムは構築されています。そのため、今回の泡が床に残っているという状況はあまり起こらない状況です。
そこで、再度状況の確認を行っていると、転倒された利用者の動線上に一番近いカランにて別の洗体自立利用者が自身で体を流していたことが分かりました。そう、この洗体後の泡が床に残っていたと推測されます。

第4のなぜ?「なぜ自立利用者が流した後、そのままだったのか」

少しずつ原因の根幹に近づいてきましたね!
では、その自立利用者の洗体後、なぜ流した泡がそのままだったか?
これは単純に職員の確認不足
洗体後は必ず職員が確認し、床の泡等を洗い流し、その後浴槽へ誘導することになっていますが、この業務に抜けがありました。

第5のなぜ?「なぜ職員の確認が出来ていなかったのか」

この状況において、担当している職員は、他利用者の移動介助やリフト操作のヘルプに行ったりで、その場の確認が出来ていなかったのです。
入浴介助は、数名で行いますが、曜日によっては車椅子の利用者も多く、繁忙度が上がります。その状況において、確認作業が漏れてしまい、今回の転倒に繋がったのだとわかりました。

5Whysで原因究明。その結果をどう今後に繋げるか?

今回、自立利用者の転倒から職員の確認が十分に行き届いていなかったことが分かりました。ただ、職員も限られた時間の中で、多くの利用者をお風呂に入れなければなりません。
職員不足も叫ばれる中で、全利用者に職員がついて、洗体や移動のお手伝いするのもちょっと違います。
では、今回の事例を通してわかったことは、
利用者動線上(浴槽)に一番近いカランを自立利用者に使ってもらわずに、一部介助が必要な利用者の介助に使用すれば、職員は必ず自立利用者の動線上にいることができ、さらには移動時の見守りも可能になります。

いかがでしたでしょうか?
利用者の転倒について、5つのなぜ?を繰り返すことで「原因の根幹」がわかり、さらには「対処すべき点」にまで達することが出来ました。
この5Whysの手法を使わなければ、もしかしたら、単純に「利用者は自由に歩かせない」とか「動く際は必ず歩行介助をする」になっていたかもしれません。
一つ一つの事象を明確に分析し、根幹のしっかりと把握することの大切さが、今回の5Whysの手法を利用することで理解できたと思います!!

終わりに

この手法、誰でも簡単に使うことが出来ます!!
少しコツを掴めば、必ず役に立つ考え方なので、是非皆さんもマスターしてみてくださいね♪♬
数多あるサイトから比較的わかりやすく説明されているサイトをチョイスしました!良ければお立ち寄りくださいね!!

PS.今回の記事を書くにあたって感じたこと。

それは、、、
「洗体」って漢字が変換されねぇ!!!

あらう・からだ 何度打ったことか。。。
終盤にようやくユーザー辞書に登録しました。

以降、「せんたい=洗体」と表記されるのが嬉しくて仕方ないhamちゃんでした。

洗体♫

では、また👋


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