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プロである前に”人”であれ!~介護現場における正しさと人間らしさ~

皆さん、おはようございます!!
火曜日は、介護業界について考える日です! 現場で働く人の声から、社会における問題点まで様々な角度からお話しします。 介護業界に身を置く方だけでなく、様々な方と共有できればと思います! ぜひ最後までお付き合いください。
(文字数:2628文字 所要時間:約7分)



はじめに

今日は、数週間にわたり続いた「介護職あるある」とは違ったテーマでお届けしたいと思います!!

介護の現場では、「プロ意識」が求められます。
利用者に対して適切なケアを提供し、
間接業務を効率的にこなし、
ミスなく仕事を遂行すること。
これらがプロとしての責任とされています。
そして、ヒヤリハット(重大な事故に繋がる可能性のある事例)が発生した場合は、その先に発生するかもしれない大きな事故を未然に防ぐため、話し合いの中で、予見をつぶしたりと。様々な活動を行っています。

しかし、その「プロ意識」が時として人間らしさを失わせ、冷たい対応や無茶な指示に繋がってしまうことが往々にしてあるのも事実です。

今日は、そんな「プロである前に人であれ。」って心から思えるような出来事に遭遇したため、自身がこのような対応を行わないように!という自戒も込めて発信したいと思います♪♬
利用者への接し方、そして共に働く職員への指示や対応において、「プロらしさ」よりも「人としての温かさ」を意識することで、介護の現場はもっと働きやすく、利用者にとっても安心できる環境になるはず!
本記事では、利用者対応と職員への指示という二つの視点から、「プロである前に人であること」の重要性を考えたいと思います♪♬

ちなみに!!!今回のテーマは、介護の現場に限らず、すべての対人援助職に共通する大切な考え方だと考えます!介護関係者以外の方も是非、最後までお読みください❢❢


1.利用者への対応――正しさが必ずしも正解ではない

介護の現場では、「正しい対応」が求められる。しかし、その「正しさ」が、必ずしも利用者にとっての「最適解」であるとは限りません!

たとえば、食事の場面。
嚥下機能が低下している利用者に対し、「誤嚥や窒息のリスクがあるから」と、すべてを刻み食やミキサー食に変更するケースがあります。
これは医療的に「正しい」判断かもしれません。
しかし、利用者本人の気持ちはどうだろうか。「普通のご飯を食べたい」「形のあるものを噛んで味わいたい」と思っているかもしれませんよね?
私自身も、きっと、何かわからないドロドロの流動食よりも形あるものを口にしたい。

安全を守ることは大切だが、それが「利用者の人生の楽しみ」を奪ってしまってはいないでしょうか?
プロとして「正しい対応」をする前に、「この人は今、何を望んでいるのか?」と考えること。
それが、
「プロである前に人であること」
につながります!!

また、認知症の利用者さんへの対応にも同じことが言えます。
たとえば、入所施設では”あるある”な事例で、夜間に不穏になり、「私の部屋はどこですか?」と徘徊しながら訴える利用者に対し、
「ここはあなたの家ではありませんよ」と正論を伝えるのは、一見、誤解を正すプロらしい対応かもしれませんが、それによって利用者が不安を募らせ、ますます落ち着かなくなってしまうこともあります。
入職したての新入職員さんは、このあたりの『さじ加減』が非常に難しく感じるでしょう。。。

「じゃあ、朝になったら一緒に探しましょう!今日はもう遅いので、空いている部屋をご準備します」と寄り添うほうが、利用者の心は落ち着くかもしれません。
「正しさ」よりも「その人の気持ちに寄り添う」ことが大切ですよね。

自分ならどのような対応を取ってほしいか?をまずは考えることが大事です♪♬


2.職員への対応――無茶な指示が生む悪循環

介護現場では、「利用者のために」という言葉が合言葉のように使われる。しかし、その「利用者のため」を口実に、職員に無理を強いるケースはないだろうか。

たとえば、「どんなに忙しくても利用者を大事にしなさい」といった指示が飛ぶこともあります。しかし、職員もまた人間。忙しさやストレスの中で、心に余裕がない状態で無理に笑顔を作らせることが、本当に利用者のためになるのでしょうか?

また、現場でよくあるのが上司からの無茶な要求。
「このデータを今日中に提出してください」「休みであれば翌日12時までに」のような、上司からすると早く得たい情報かもしれないが、指示を受けた職員のスケジュールはどうなるのでしょうか?

そこには上司の「プロ」としての意識が優先され、人として寄り添う気持ちが欠けているんじゃないか?って思うんですよね。。。
※実際に、先日あった事例です。

上記のような要求・事例が蓄積されることで、職員が疲弊し、心の余裕を失えば、結果的に利用者に対する対応も雑になり、ミスが増える。
そしてミスが起これば、さらに上から厳しい指導が入り、職員の士気は低下する――こうした悪循環が生まれてしまうのではないでしょうか?

「プロである前に人であれ」という視点を持てば、職員に対する指示の仕方も変わるはずです。
たとえば、「今は忙しいけど、一息ついたら少し休憩をとって」「無理に残業しなくていいから、できる範囲でやって」といった声かけがあるだけで、職員の気持ちはぐっと楽になりますよね。

職員に「プロらしい対応」を求める前に、「人としての温かさ」を持って接すること。それが、職員の働きやすさにつながり、結果的に利用者へのより良いケアにもつながるのではないでしょうか?


おわりに

介護の現場では、「プロ意識」が重要視されます。
しかし、その「プロ意識」が行き過ぎると、利用者の気持ちを無視した対応や、職員に対する無理な要求につながります。

介護は、マニュアル通りに進める仕事ではなく、
「人としてどう向き合うか」
が問われる仕事。
だからこそ、
「プロである前に人であれ」
という意識を持つことが大切なんです。

利用者に対しては、
「正しさ」よりも「その人の気持ちに寄り添う」ことを大切にする。
職員に対しては、
「プロ意識」を押し付けるのではなく、「人としての働きやすさ」を尊重する。

この二つの視点を持つことで、介護の現場はもっと温かく、働きやすい場所になるはずです!もしかしたら、離職率も下がるかもしれません!!

「プロである前に人であれ。」
この言葉を胸に刻みながら、今日も介護の現場、自身の仕事に向き合っていきましょう!!!

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