人見知りの生態
この世は社交的な方が得なようにできている。人見知りにはつらい世の中だが、自分が嫌いなわけでもなく、ちょっと繊細な自分を気に入ってもいる。
今生はどうしようもないから来世こそは社交的に生まれようかと思ったが、社交的に生まれたらたくさん社交しなきゃいけないじゃん、と脳内ストップがかかった。思考実験だとしても社交的にはなれないらしい。そんなことある?
ネットに同じような記事は死ぬほど落ちているが、せっかくなので人見知り(の私)あるあるを書いてみたい。
①仲良くなるのに1年かかる
学校で同じクラスになった子とは、クラス替えの直前になってから仲良くなる。This is デフォルト。一緒にnoteをやっているねねっちとの付き合いは数年になるが、心を開いた(=甘えられるようになった)のは割と最近である。人と距離を詰めるときはまず観察から。安全な人かどうか見極めることなしに近づきはしない。
②一度きりの人とはフランクに話せる
ところがどっこい、初対面でもきさくに話せる相手もいる(というか一応誰とでも普通の大人の対応はしてるつもり)その時限りの相手であればむしろ社交的になれる。飲食店の店員とか、ホテルマンとか、イベントスタッフとか、その場限りの人とはノリよく話せる。アパレル店員はその場限りだけどグイグイ来るから苦手。
③勧誘されやすい
一人で行動することが多いせいか、やたら勧誘される。勧誘だと気づいても断ると相手がかわいそうではないかと思い、一応適当に話を合わせてその場を乗り切る。話の内容はどうでもいいが、町中で見知らぬ人に話しかけるメンタリティには興味がある。私はお金もらってもやりたくない。
④雑談を深読みする
「休みの日って何してるの?」なんて聞かれたら、脳内はパニックである。「(えーそんなの日によって変わるし、特に何もしてないんだけどほんとに何もしてないかと言われたらそうでもないんだけど、ネットサーフィンしてるっていったら何見てるのとか聞かれるだろうしなんて言おう うわ、考えてたら変な間ができちゃったよ)・・・えっと、読書、ですかね」
てな具合である。雑談に深い意味がないことは理解したので、今は「YouTubeでアイドルばっかり見てるんですよ~」とおどけられるぐらいにはなった。
⑤人見知りの意味を辞書で調べる
自分は本当に人見知りなのだろうかと気になって、辞書で意味を調べる。
[名](スル)子供などが、知らない人を見て、恥ずかしがったり嫌ったりすること。「人見知りして泣く子」 デジタル大辞泉
そして(本来)子どもにしか使われない言葉であることにショックを受ける。大人の人見知りは甘えと言われている気がする。
⑥システムがわからない店にはいけない
宝くじを一回も買ったことがない。期待値が低いからではない。買い方がわからないし、買い方を聞く勇気もないからだ。買い方がわかっていたとしても買うのに人と話さないといけない!無理だよ!(なお、ネットで買うほどの興味はない。)路線バスも前乗りなのか後ろ乗りなのか前払いなのか後払いなのかわからないから緊張する。人に話しかけるぐらいだったら何かをあきらめた方がまし、というのは人見知りのスタンダード思考である。
⑦人に何かする=迷惑になる
人に何かをするとき、「これやったら相手は喜ぶだろうな」と考えるタイプと「これやったら相手は迷惑かもしれない」と考えるタイプがいる。人見知りはおそらく後者が多いのではないか。「自分がされたらうれしいでしょ?じゃあ相手もうれしいはずだよ」なんて言われても、「自分がそうだからといってなぜ相手もそうだと言える!!?!!そうとは限らんじゃろ!?!?」と考えてしまう。
ネットなのでここまで書いたが、呪いにならないように、普段は自分が人見知りだと言わないようにはしている。でもやっぱりいろんな場面で自分の人見知りを自覚させられる。
年に2回ほど社交性強化月間を作っているが、特に社交的になったりもしていない。最近はもうあきらめているので、社交的な人を身近において代わりに社交してもらうとか、そもそも社交しなくていいようにするとか、そういうやり方を選ぶようになった。
仕事がちゃんとできてたらいいよね・・・と自分に言い聞かせながら、人見知りは眠る。
(どみの)