言葉の贈り物~レコグニションの話
濵桜コンサルティングの松田史子です。
いよいよ街はクリスマス一色に。
今年も残りわずか。これから年末にかけ
1年で最もワクワクする季節ですね。
実は、12月は長く接客業に従事していた
私にとっては、1年で最も忙しく、気合の
入るシーズンでもありました。
今回は、そんな忙しいHolidayシーズンを
「レコグニション」というカルチャーで
乗り越えたお話をしたいと思います。
私のいたGAPはアメリカンブランドで、
アメリカでは、クリスマスはビッグイベ
ントのため、このクリスマスシーズン
つまり、ホリデーシーズンというのは
売り上げも、忙しさも年間最大でした。
世の中の皆さんが楽しむクリスマスも、
お正月も休みなくハードワークに勤しむ、
ちょっと可哀そうな私たちですが、案外
楽しく働いていたりしたのです。
GAPストアのホリデーは、毎年、
キックオフミーティングから始まります。
このホリデーキックオフミーティングと
いうのは、ホリデー商戦に向けての戦略
共有を目的としたミーティングですが、
ミーティングオーナーがクリスマス
らしく楽しい演出で、ゲストを迎える
のがGAP流でした。
ストアの長である上司が、私たちに内緒
で、テーブルに小さなツリーを飾ったり、
お菓子を準備してくれていたのですが、
いつものミーティングのつもりで出勤し
た私たちにはまさにサプライズで、
GAPホリデーの楽しさを伝えてもらった、
貴重なカルチャー体験でした。
また、ミーティングで共有される、
ホリデー期間の目標は、どれもなかなか
にハードですが、その高い目標や達成の
ための戦略にも、やはりGAPらしく、
従業員が楽しめるアイデアや工夫が
随所にちりばめられていたものです。
でも、それら多くの仕掛けよりも
キックオフミーティングを準備してくれ
た、上司の私たちへの労いの気持ちが
嬉しくて、ずっと長く心に残りました。
「レコグニション」という言葉は、英語で
「達成や貢献、能力に対する感謝や称賛」
を意味しますが、
GAPにはこの「レコグニション」を大切
にするカルチャーがあり、普段からの
フィードバックで伝え合うこともそう
ですが、感謝や賞賛の気持ちを書いた
カードを贈り合うシステムがあり、よく
活用されていました。
大切にされている、認めてもらえている
と感じると、人は頑張れるものです。
そして、それを周囲にも返そうとします。
まさにこの時の私たちがそうで、
ホリデー繁忙期、大変だけど頑張ろう!
自分たちもメンバーを大切にしようと、
すっかりモチベーションが上がり
よりいっそう団結感が生まれました。
繁忙期は忙しい分、より多くのGood
パフォーマンスが見られる時期でもあり、
書いたり、もらったり、毎日たくさんの
レコグニションカードたちが行き交う
職場の光景は、とても良いものでした。
大変だけれど、やりがいのあるシーズン
が終わるころには、たくさんのカード達
が掲示ボードを埋め尽くし、メンバー
一人一人の成長と、チームの関係の質
の向上を感じることができました。
レコグニションは、言葉の贈り物なので、
心がこもっていないと、伝わりません。
でも、思いのある言葉というのは、たとえ
短くても相手の心に届きモチベーション
の源や、心の支えになるものです。
あまり聞きなれない言葉かもしれません
が、フィードバックの一つの形として、
とても効果的な、このレコグニション。
より認知され、取り組む組織が増える
ことを期待してやみません。