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業績復活!?オリエンタルランドの決算分析② ~単価分析~

 失敗しない事業計画相談室です。本日も「ざっくり」決算書がわかるための内容をお届けします。本日もオリエンタルランドをテーマとします。前回は、四半期(10月~12月)の大幅増益について解説しましたが、

今回はその大きな要因である「販売単価・客単価」についての解説です。

1.チケットの価格改定

 テーマパークの客単価については、2020年10月からチケットを4段階の変動にしています。

OLC価格

 チケット単価については、以前にも改定がありました。2021年3月20日に、固定価格から変動価格に変更しています。例えばワンデーパスポートで、大人が8200円だったものが、8200円から8700円と実質的な値上げを行っています。
 
 さらに、2020年10月1日から変動価格制を4段階にしました。これは、閑散期には安く、繁忙期には高く、という価格です。繁忙期という人が集中するタイミングでは、従来よりも高くなっています。
 これは、繁忙期は高くても買いたい人がいる、言うことで、値上げをしても、「高くてもディズニーランドに行きたい!」人がいるから成立します。この繁忙期・閑散期など需要に合わせて価格を変えることを、ダイナミックプライシング、といいます。飛行機のチケットとかホテルの宿泊料金が、盆や正月に高くなるのと同じ仕組みですね。

2.客単価の影響を推測

 では、改めて、客単価の影響を入園数から推測します。

OLC客単価

 入園数は未公表ですが、テーマパークの売上高は738億円、客単価が14,637円です。客単価が、チケット代よりも高くなっているのは、飲食や商品販売なども含むからです(公表数値から引用)。
 これを計算すると、入園数は504万人です。

 次に、客単価の利益影響を試算します。単価数は、公表資料から引用すると+995円、約1000円上がっています。入園数が、先ほどの試算で+504万人、におよそ500万人増えています。結果、単価影響で+50億円のプラス影響があり、粗利+145億円の1/3と、変動価格制により繁忙期の単価アップという秘策が、かなり大きく収益増に貢献しています。

以上が、単価影響です。次回は原価影響を見ていきます。

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