セブンイレブンの決算分析① ~成長の秘密とは?~
ざっくり決算書講座です。財務のプロである中小企業診断士が、(クリッざっくりと決算書が分かるポイントに絞り込んで、初心者でもすぐに知識が身に付きやすいをモットーに更新しています。
本日のテーマはセブンイレブン。そごう・西部売却が連日ニュースとなっておりますが、売却の必要性はあるのでしょか?
1.セブンイレブンの業績概要
セブンイレブンの事業はコンビニだけではなく、5つの事業を営んでいます。
・国内コンビニ:国内のコンビニエンスストア
・海外コンビニ:海外にコンビニエンスストアで、主にアメリカ
・スーパーストア:スーパー事業で、イトーヨーカドーなど
・百貨店・専門店:百貨店や専門店で、そごう・西部など
・金融関連:金融に関する事業で、セブン銀行など
では、それぞれの比率はどうなっているでしょうか?
営業利益の比率で見てましょう。
国内のコンビニが53%で海外のコンビニ比率が38%です。コンビニ事業は利益の約9割を占めており、やはりコンビニが事業の中心です。
そして海外比率が約4割を占めており、海外事業のウェイトも大きいですね。ではこの海外事業の構造について詳しく見ていきます。
2.海外事業
海外事業の収益は、グラフでご覧の通りの推移です。
グラフでQと書いてありますが、これは四半期、3カ月間のことです。ちなみに、Qはクオーターの頭文字をとっています。
改めてグラフを見てみますと、当期の2Qと3Qにかけて大きく伸びていますね。これは、スピードウェイ社というアメリカの企業を買収、M&Aしたからです。
スピードウェイ社とはどのような会社かというと、ガソリンスタンドを併設しているチェーン店です。アメリカは国土が広大な車社会なので、ガソリンスタンドが併設されていることが多いです。(アメリカのチェーン店舗数では3位の会社です。ちなみにトップはセブンイレブンです。
業界トップと3位が合併したので、全米シェアは約1割と他を圧倒しています。
このように、M&Aで海外事業が伸びているのですが、では、従来のコンビニ事業ではどうなのでしょうか?
3.海外事業(M&A抜き)
スピードウェイ買収分を除く海外実績は、前年比で、売上、客数、客単価全て伸びており、対前年で増収です。
これは、コロナによる生活様式の変化対応してデリバリーやデジタルウォレット等の導入店舗を拡大したことが主な要因です。つまり、M&Aがなかったしても、海外コンビニ事業は好調でした。
本日は、ここまで。次回は、改めて会社全体の業績について見ていきます。
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