2兆円!セブンイレブン大博打!?決算書で読み解く② ~資金調達~
ざっくり決算書講座です。前回は、セブンイレブンの2兆円M&Aの投資対効果を見ていきました。
今回は資金調達を見ていきます。
1.資金調達の種類
資金調達については、3つの方法があります。
貸借対照表で見ていきますが、貸借対照表とはお金の状態と出所を表す決算書です。まずは、お金の状態である資産、次にお金の出所として、他人の金で返済が必要な負債、自分の金で返済が不要な純資産、とあります。ちなみにBSについて、もっと深堀したい方は、下記のリンクを参照ください。
資金調達方法に話を戻すと、資産を売却する、負債で借金を調達する、純資産で新しく株を発行する、などの方法があります。
それぞれの方法についてですが、まず資産売却は不要なものであればいいんですが、利益を生む資産を売ると稼ぎがマイナスになってしまうリスクもあり、頻繁に取られない方法です。
多いのが、借金、負債を増やす方法です。これは返済が必要なので、倒産リスクが上がります。ただ金利は株の配当よりも安いので、株の発行よりも安い調達コストでお金を調達できるメリットがあります。
最後に株式発行、純資産増加ですが、これは返済不要という会社へのメリットはありますが、株数が増加すると言う事は1株あたりの株価が低下するので嫌がられます。これはよく株式の希薄化とか希釈かとかって言われますが、要はものっていうのは数が多ければ多いほど価値が下がるので、株も同様ということです。
株価が下がるので投資家には当然嫌がられます。
2.セブンイレブンの資金調達手段
それでは、セブンイレブンはどのような方法をとったのでしょうか?貸借対照表で見てみると、借金と言う方法をとりました。
具体的には、表のとおりです。国内で、社債や借入で調達しています。
社債は、この中で聞き慣れない言葉かもしれませんが、これは投資家から直接、会社が借金する方法です。社債と言う債権を発行して、それを買った投資家には利子を払った上で、しかもちゃんと返済をするものです。ただし、会社が倒産すると返ってこないというリスクはあります。
セブンイレブンに信用があるから多額の借金ができるということですね。ただ借金が増えているって言う事は、安全性は大丈夫か、という不安も残ります。
ということで、次回は安全性について解説します。