「読書」について考えてみた
高校生の時に『三国志』(吉川英治著)を読み、読書の面白さにはまった。それから40歳直前までは年間40冊くらいのペース。趣味を聞かれたら必ず「読書」と答えていた。ある時ある人に「年間40冊くらいで趣味と言えるのか?」と指摘をされた事をきっかけに、その翌年から年間100冊を読み続けることを自分に課してきた。仕事やプライベートで読書に時間がとれない時は50冊しか読めない年もあれば、150冊以上読めた年もある。結果この11年間の読書量は940冊となった。
「何冊読んだから素晴らしい」「何冊は読まなくてはいけない」という事は全く思わないし、そんな事で虚勢を張っても意味がないと思っているので読書の量は自分の中で決めている事。ただ、自身の読書体験で感じた事は、累積500冊程になった時点で、物事を見る視点・視座が変わったかな、という事。読書を通じて世の中には多様な考え方がある事を知り、自分の意見とは異なる意見の本を読んで、一瞬でもその人の意見に委ねて捉えることが体験できる。後で自分が持っていた考え方に戻る事もあるし、自分とは反対意見をさらに深堀して統合した上で新しく自分なりの意見が出来上がることもある。そんな経験を繰り返してきたから、視点・視座が変わったと思う。
多様性への理解と対応が求められる時代。形だけでの対応はいずれ破綻する。私自身、読書という体験を通じて多くの考え方を知り、その多様性という事に思考を巡らせてきた。結果的には自己概念を形成する上で役立ってきたと思っている。読書を通じて様々なことを疑似体験し自己概念はさらに、変化し続けるものであると思っている。という事でこういう楽しい事は継続したいと考える次第である。
最後に一言。
あの時、40冊じゃあ趣味と言えないと言ってくれた友に感謝。ありがとう。