『シン・ニホン』がつくり出してくれた転機
32年間、兄に聞けなかったことがあった。父が亡くなって兄が家業を継ぐ決意をした時の想いを。ずっと気になっていたが、触れてはいけないような気がしていたから。
昨年、秋晴れのもと、82才になる母と私たち兄弟3人が兵庫にある亡き父の墓前に揃った。兄と母は地元の兵庫、私は徳島、弟は東京からそれぞれ駆けつけた。みんなで会うのは何年ぶりだろう。その日の夜、兄と私で実家の近くの焼肉屋で食事をした。2人でお酒を飲みながら話したのは、お互い50才を過ぎたのに、もしかしたら初めてかもしれない