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Reading record #1

SDGsの理解を深めようと思い、会社のダイバーシティ&インクルージョンの組織長に、SDGsを理解するためのおすすめの本を聞いた。さっそく購入して読んだ。

『SDGs思考』(田瀬和夫著)

SDGsが掲げられた背景を説明しながら、根底に流れる世界観を丁寧に説明してくれる。17の目標が細かく説明しているシーンは一切なく、いかにビジネス活動(利益を出しながら)結び付けて取り組むか、経営への実装の仕方や、達成へのアプローチの考え方を主に論じている。

最終章には、SDGsの17の目標の1つに入れるのではなく、全体を支えるフレームワークである「人権」について力説している。米大学の特権アクティビティの事例は注目しておきたい内容。

徒競走で買ったら100ドルの賞金が与えられるレース前に、学生に問う。
「両親が今も結婚している人は2歩前へ」
「父親がいる家庭で育った人は2歩前へ」
「私立の学校に通った人は2歩前へ」
「親が雇った家庭教師がいた人は2歩前へ」
「携帯電話を止められる心配をしたことがない人は2歩前へ」
「親に対してサポートをしたことがない人は2歩前へ」
「運動能力による免除以外で、学費を自分で払わなくていい補とは2歩前へ」
「次に食べる心配をしたことがない人は2歩前へ」
問いが終わって、「前にいる人たちは100ドルを勝ち取る可能性が、後ろにいる人たちよりも大きい。しかし自分たちが競争するのに優位なスタート地点に立たせてもらっていることすら気づいていない」という。

これが、「社会的弱者を生む権力構造そのもの」と喝破する。

最後に、自身が肝に銘じておきたい内容を書き留めておきたい。

ミレニアル世代は「2025年には世界の労働人口の75%に達する。多様性に対する指向性が強く、仕事を通じてよりよい社会、世界の実現に貢献する意欲をもっている。そういう人達が社会を動かし、企業の在り方や働き方を根底から変えていく。」「不可逆的の地殻変動は既に起きている」「日本でも2025年には労働市場の半分以上がミレニアル世代」になっている。

2025年まであと3年4カ月。若い人たちが活躍する時代が来る。来るというか、若い力をもっと開放して、加速していく必要があるのだろうと思う。


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