いつ来るか分からないヒーローを待っていちゃいけない。
近年、中高生や地域によっては大学生が、自分たちのやりたいことに挑戦する、そのサポートをしたり挑戦できる場所を作ったりする取り組みが加速していると感じる。
私も大学進学を機に上京してから、いわゆる「第3の居場所」と呼ばれる場所をいくつか見てきた。
家でも学校でも職場でもない、年齢や職業に縛られることなくそこに集まった人が等身大でいられる場所。
第3の居場所に集まった若者たちが、そこで出会った様々な人に影響を受けながら、やりたいことに挑戦して成長していく姿を目の当たりにした。
その第3の居場所にとても憧れた。
私の地元にも、作りたいと思った。
高校生までの私が見ていた世界
既に小学生の頃から、学校と家とクラブ活動の往復で疲れ果てていた。
いつも同じ人たちと過ごし、その人たちとの関係性が崩れることを極端に恐れていた。
高校生までの私にとっては、学校と家が生活の全てだった。
その狭い世界から見る地元は、恐ろしくつまらなかった。
なぜなら、誰も楽しそうではなかったから。
子どもはしょうがなく学校に行く。部活に入らなければいけないから入る。
大人は働かなければいけないから働く。
そしてみんな、地元がそれほど好きではない。
しょうがないから、ここに住んでいる。
そんなんじゃ、誰が地元に戻ってくるか!!
戻ってこなければいけない人しか戻ってこない!!
戻ってきたい、と思う人がいなくなってしまう。
本当に地元はつまらないのか。
なぜ、つまらないのか。
第3の居場所づくりへの道は険しい。
第3の居場所を作りたかった。
若者がやりたいことを応援できる場所、人々が等身大の自分でいられる場所を。
そして、若者たちがアクションを起こすことで地域を活性化する。
そうしたら、もう少しワクワクする地元になるんじゃないかと思った。
高校生がやりたいと言ったことを応援したりした。
高校生のやりたいことを実際に手伝った。
だけど、自分のやりたいことはどんどんわからなくなっていった。
やらなきゃいけない、これをやったほうがいいのかな、でいっぱいになっていった。
地域のことが好きで、Uターンしてくる多少目立つ新卒という衣は思ったよりも重かった。
私は、本当にワクワクする生き方ができているのだろうか。
まずはプレイヤーであれ。
「やりたいこと応援するから、なんでもやりなよ」
それってやっぱりなんか違うと思う。
やりたいことを応援してくれる人がいるからこの地で挑戦したい、とは思わないんじゃないか。
やりたいことをやっている人がいるから、自分もこの地で挑戦したい、と思うんじゃなかろうか。
スキーの手入れをするワックスマンがいくらスキーを磨き上げたって、滑る人がいなかったら大会で結果は残せない。
そもそも、滑った経験がなければスキーの手入れも上手くできない。トンチンカンなワックスを塗っちゃうこともあるかもしれない。
サポーターである前に、プレイヤーであるべきだと私は思う。
そして、プレイヤーが無理せずに等身大でいられるようにサポートするのが、サポーターの役目だと思う。
プレイヤーが消費されるようになってはいけない。利用されるようになってはいけない。
これだけは肝に銘じておきたい。
自分がワクワクする生き方を。
まずは自分がワクワクする生き方をしてみよう。
地域を活性化するのはたった1人のヒーローがもたらす華々しい成果ではなく、無数の人々がワクワクする生き方をすることだと思うから。
プレイヤーがいないことを嘆くのではなく、まずは自分自身がワクワクする生き方をしているかを見直してみよう。
いまいちワクワクしないなぁと思ったら、自分がやりたいことをやってみる。ヨガでも、読書でも、YouTubeでも。
自分がやりたいことをしている人はイキイキしている、と思う。
自分がやりたいことをやるなんて当たり前のことだけど、当たり前にできてない人はたくさんいる。
そして、周りの環境のせいにしてしまう。
忙しいから、お金がないから、ここは田舎だから。
もっと若者が帰ってきて、子供をいっぱい産んで、昔みたいに活気づいてくれたら...。
でもたぶん、それは言い訳だ。
いつ来るか分からないヒーローを待っていちゃいけない。まずは自分が変わらなきゃ。
自分で行動を起こしてみれば、自分自身や住んでいる土地が、外から見てもワクワクする地域になっていくんじゃないだろうか。