発酵の始まりで活躍する硝酸還元菌
日本酒の中でも、生もと造りと山廃造りでは硝酸還元菌という菌が働いています。
この菌、どんな菌なのでしょうか?
昨化学に詳しい知人に教えて頂いたものと、ネットで調べたものまとめてみました。
地下水には、動物の死骸や排泄物が分解されてできた硝酸イオンがわずかですが含まれています。
この硝酸イオンは NO3− つまり窒素原子一つと酸素原子3つから成ります。
この硝酸イオンから酸素一つを取り去る、つまり還元すると、NO2− 亜硝酸イオンとなります。
このように、酸素を取り去ってしまうのが硝酸還元菌です。
硝酸還元菌は硝酸塩呼吸と呼ばれる代謝を行って電子を得て生物の基本エネルギーであるATP(アデノシン三リン酸)を生成し増えます。
こうしてできた亜硝酸には他の菌の繁殖を抑える働きがありますので、硝酸還元菌の他は乳酸菌や酵母菌しか繁殖しにくい環境になるのです。
ちなみにワインの世界では、亜硝酸のかわりに亜硫酸塩を添加することで、雑菌の繁殖を抑えています。
硝酸還元菌でもいろいろな種類があり、中には亜硝酸どころか窒素と酸素まで分解してしまう強者も居ますが、日本酒で活躍するのは亜硝酸まで分解する種類のもので、鼻水にいるシェードモナス(緑膿菌)などもそのひとつです。
よく川に入ると、石が水垢でヌルヌルしていることがありますが、あれも硝酸還元菌のしわざということです。
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参考にしたHP
新政酒造のブログ
http://ameblo.jp/yama-u-suke/entry-10692833969.html
光合成事典
http://photosyn.jp/pwiki/index.php?%E7%A1%9D%E9%85%B8%E5%91%BC%E5%90%B8