濱田屋の社長

日本酒とワインが大好き、もともと普通の酒屋でしたが、今ではほとんど日本酒とワインしか売っていない店になってしまいました^^;

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  • 日本酒が出来るので、ミクロの世界で追ってみた

最近の記事

甘酒の更に健康的で美味しい飲み方

 夏バテには甘酒が良いです。  それは、甘酒に含まれる豊富なビタミンB群があるからですが。  私には甘酒は甘すぎる、そこで・・・。 クエン酸水とまぜたらどうだろう  と思いついてやってみましたが、これは美味い。  カルピスウオーターみたいな味です。  クエン酸はがん予防にもなることが最近明らかになったので、一石二鳥ですね。  クエン酸は薬局で安く売ってます。

    • 日本酒の熟成について

      ●江戸時代までお酒は古い方が高級だった 日本人は新物が好きな傾向があるので、新酒や、製造年月日が新しいお酒に人気が集まっています。 しかし、江戸時代、最高のお酒は9年寝かせた、熟成酒だったそうです。 今でも、剣菱などは最上のお酒は熟成酒ですし、古酒に特化した達磨正宗の 白木恒助商店さんなどは、一部熱狂的なファンがいますね。 ●では、なぜ熟成酒の文化は廃れてしまったのでしょう?  現在はお酒は出荷した時に課税される「出庫税」ですが、実は明治時代の日露戦争時、政府は予算を

      • そもそも、吟醸とか純米って何?いつ、なぜ出来たの?

        昔は出来たお酒を国税局が利き酒して、特級酒、一級酒を判定、判定に通らなかったり、判定を受けなかったりしたお酒が二級酒でした。 現在は純米、吟醸、純米吟醸、大吟醸、純米大吟醸などの特定名称があります。 以下はwkipediaに掲載された吟醸の歴史を要約したものです。 最初に出来たのは、「吟醸」という言葉でした。 これは、大正時代に出来た言葉で鑑評会に出すために「特別に吟味したお酒」という意味で、当時の吟醸酒は特別な麹の作り方(吟醸麹)をすると、香り豊かななお酒ができることを名人

        • 「生酛」「山廃」「速醸」の製法と味わいの違い

          「生酛」「山廃」「速醸」の製法と味わいの違い 今回は、店で接客していて一番質問の多い「生酛」「山廃」「速醸」の製法と味わいの違いについて書きたいと思います。 『酛』(酒母)の作り方  この「酒母」←(しゅぼと読みます)または「酛」←(もとと読みます)と呼びますが、これからは「酛」と書きます。  まずはこの「酛」を造る行程の一番伝統的な基礎になる作り方を簡単に説明します。 出来た麹と蒸した米を水に溶かして、すり潰します。               ↓  そして、そ

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        • 日本酒が出来るので、ミクロの世界で追ってみた
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          醸造アルコールって何?

          ■醸造アルコールって何?  次に質問の多いのが「醸造アルコール」です。  昔は、「醸造用アルコール」と言っていました。  この醸造用アルコールを添加したきっかけは、日本が満州国を作ったときににはじまります。  満州に移民した多くの日本人があまりの寒さにお酒が凍ってしまい飲めないと苦情がありました。  そこで、凍らないように濃縮した日本酒が研究されたそうです。  普通に煮詰めてしまうと、アルコールが飛んでしまうので、ベースになる日本酒に純粋アルコールに近いものや、糖類、旨味成

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          新型コロナウイルスについての動画リンク

          https://www.youtube.com/watch?v=xx3n9AoYk84

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          野生酵母の生活

          日本酒では、安定した酒造りをするため、現在ではほとんどのお酒が、蔵つきの酵母ではなく、酒類総合研究所や、その他の業者が販売している優良酵母を使用していますが、もともと酵母は自然界で野生動物として生活していました。 (ここでは、酵母の中から糖分を餌にする酵母に限定してお話します。) それでは、その野生酵母はどんな生活をしているのでしょう。 酵母菌は、自力で移動する事はできませんので、移動は他の生き物に頼る事になります。 その多くは昆虫です。 ハチやハエ、蝶などの昆虫が蜜の

          野生酵母の生活

          子供を生む出芽酵母

           酵母菌といっても、自然界にはものすごくたくさんの種類が存在しています。  この無数の酵母菌を大雑把に2つのグループに分類すると、分裂酵母と出芽酵母になります。  そして日本酒やワインや麦酒などに使われているのは、出芽酵母と呼ばれるタイプの酵母群です。  普通、単細胞生物の細胞分裂というと、一つの細胞が真っ二つに分かれて分裂するイメージですよね、これは分裂酵母です。  人間など多細胞生物の細胞もそのように分裂していますが、出芽酵母は、どちらかというと、出産するイメージです。

          子供を生む出芽酵母

          神戸酒ラジオ 第一回

          パーソナリティ 濱田栄司  ゲスト 大黒正宗醸造元 安福又四郎商店 営業部長 池田光雄 音響 中田光治 テーマ曲 ジングル 作詞作曲編曲 濱田栄司 歌 井上まな ロゴマーク、アイコン制作 Michael Shinji Yamaguchi 主なトピックス 池田氏 伊達メガネ疑惑 大黒正宗の酒造りについて 池田撮り誕生秘話 池田氏オススメの酒と飲み方 *私、濱田が一年以上かけて編纂した「全国酒蔵ブックマーク」を配布中です。 必要な方は、下記のリンクからお申し込みください。 https://jizakeya.co.jp/

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          生もと造りについて

           現在、日本酒の作り方は色々ありますが日本酒の伝統製法、生もと造りについて書いてみたいと思います。    まだ微生物の存在が知られていない江戸時代に量に良酒をつくるため、丹波杜氏によって完成したのが『生もと造り』です。  微生物学も知らない先人がなぜこのような方法を考えついたのか、これから生もと造りの説明を読んだ皆さんも驚かれる事と思います。  ここで言う『もと』とは酒母とも言いますが、お酒を本格的に仕込む前のスターターの事を言います。  本格的な発酵を行う前にまず、充分な数

          生もと造りについて

          発酵の始まりで活躍する硝酸還元菌

           日本酒の中でも、生もと造りと山廃造りでは硝酸還元菌という菌が働いています。 この菌、どんな菌なのでしょうか?  昨化学に詳しい知人に教えて頂いたものと、ネットで調べたものまとめてみました。  地下水には、動物の死骸や排泄物が分解されてできた硝酸イオンがわずかですが含まれています。  この硝酸イオンは NO3− つまり窒素原子一つと酸素原子3つから成ります。 この硝酸イオンから酸素一つを取り去る、つまり還元すると、NO2− 亜硝酸イオンとなります。 このように、酸素を取

          発酵の始まりで活躍する硝酸還元菌

          日本酒の酸はどこから来るの?

          先に、香は有機酸とアルコール由来という事をお話しましたが、それでは、その有機酸はどこから来るのでしょう? それには、まずは、日本酒のスタート、酒母の話をしなくてはなりません。 日本酒のスタートでは、まずは「酒母」をつくります。 酒母は麹と蒸した米と水を混ぜたものですが、最初はいろんな雑菌が入ってきます、その中でまずは硝酸還元菌が毒物の亜硝酸を作って、他の菌を圧倒します。 しかし、そのうち、亜硝酸に強い乳酸菌が増えてきてが乳酸を出しまくり、硝酸還元菌は哀れ全滅してしまい

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          吟醸香、米から出来たのになぜ果物の香が?

           日本酒の新酒や吟醸酒の多くには果物のような香りがあります。  お米自体には香りがないのに、なぜあのような香りが出てくるのか不思議ですね。  それには、酵母菌のある秘密が関わっているのです。  まず、あの果物のような香りの正体についてお話しましょう。  エステルという言葉を聞いたことがある方もいらっしゃるかもしれません、芳香剤などに使われている成分ですが、どういうものかというと、アルコール類と有機酸(カルボン酸)が結びついたものです。  では、有機酸が何かというと、炭素と

          吟醸香、米から出来たのになぜ果物の香が?

          酵素の働き

           酵素とはタンパク質の一種ですが、特定の分子に出会うと、その分子をちょん切ってバラバラにしてしまう働きがあります。  これは、その分子の構造と酵素の構造がピタリとハマってしまう事で、分子の繋がりの特定の部分がちぎれてしまうために起こります。  ですから、何でも分解できるのではなく、一種類の酵素が分解できる分子は一種類だけなのです。  しかし、一つの分子を分解できる酵素は一種類ではなく、複数あります。  でん粉を分解して、ブドウ糖にしてしまう酵素はアミラーゼといいます、昔はジ

          一匹狼の菌類 酵母菌

           アルコール発酵の主役は、ご存知の通り『酵母菌』です。  『酵母菌』は『麹菌』と同じ菌類ですが、麹菌と違い一つ一つの細胞が一つの個体の単細胞生物(一匹狼)です。 『酵母』という言葉は幅広い意味では細胞単独で生活する真核生物一般を指しますが、一般的には、パンやお酒に使われる糖類を食べて、炭酸ガスやアルコールを出す菌を指します。 C=炭素 H=水素 O=酸素  アルコール発酵を分子式で言うとこうなります。 C6H12O6 (ブドウ糖)1ケ      ↓ C2H5OH(エチル

          一匹狼の菌類 酵母菌

          マッチョな麹と細マッチョな麹

           日本酒のためにつくられる『麹』には、『突きハゼ』と『総ハゼ』の2つのタイプがあります。  『総ハゼ』とは、まるでカマンベールチーズのように、麹菌の菌糸が米の周りにまんべんなく繁殖し、お米の中にもしっかり麹菌の根が張っている状態ですが、これに対して『突きハゼ』は米の数カ所で局所的に麹菌が繁殖していて出来上がった麹は凸凹しています。別名『出目金』と呼ばれるのはこのためです。    こうした『麹』の作り分けは、まず単純に使う麹菌の胞子の量です。  『総ハゼ』では麹の胞子をたくさ

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