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結局は、わからない中で生きている
突然ですが、SPSSという統計ソフトを使いながら論文を書いています。
私は昨年に大学院で修士課程を終えたピヨピヨ研究者。
大学院を終えたことによって私の生活は結構変わりました。教員募集の知らせや、研究発表の機会、共同研究のお誘いなど、予想しない出来事がいろいろやってくるようになりました。
今回書いている論文は、初めて統計の分析を用いた内容で、手探りでSPSSを使いながら書き進めています。これがあれば難しい計算は勝手にやってくれるのでありがたいですが、どんな計算が行われているかはわからないため、出てきた数字とにらめっこする日々です。
ここからが本題。
SPSSに打ち込んで、相関関係を見たい項目がありました。項目同士に「高い相関(めっちゃ関係があるってこと)」が出たら予想通りだったのですが、非常に相関が低い結果が出たのです。
「え、なんで?」
ここには相関があるはずだろ!と私は資料や先行研究やらを読み返し、いろいろ調べ、でもどう頑張っても相関が出ないので、あきらめて「相関が低い考察」を書くことにしました。
考察を書くために調べていると、「この項目同士には、そりゃ相関はないわな〜」という結論にたどり着きました。むしろ、なんで相関があるなんて思っていたんだろう。こりゃ無理だろう、と。
そして考察の文章もきれいに書けて、良かった〜と思って見直していたところ、打ち込んだデータに少し不備があることがわかりました。あわてて、正しいデータを入れ直します(こういうケアレスミスがあると、全てのデータを信用できなくなり、一から確認して大騒ぎになります)。
そして、正しいデータを入れ直してから、また相関を調べたら、めちゃめちゃ高い相関関係が出ました。
「・・・え?!なんで?!」
もう私の頭の中では、「この2つの項目に相関関係はない」と結論が出た後だったのです。ちょっと数字が変わっただけじゃん!なんでこんな真逆の結果が出るのさ!
結局、基礎がわかっていないので、結果が出てきたところでなぜなのかわからないのです。わからないままにしておけないけど、でもわかろうとすると膨大な時間がかかってしまいます。果たして、それを理解する能力が自分にあるのかも怪しいわけです。
わかりたい・・・でもわからない・・・と、途方にくれながらPCの前でお菓子をバリバリ食べていたら、ふと頭の中でこんな声がしました。
「結局は、わからない中で生きていくんだよ」
ハッとしたのです。そうだね!!!と。
たとえば、私は人間の体の仕組みはイマイチわからない。筋肉がどうやってできるとか、脂肪はどうやって分解されているとか、わからない。
人間は死んだらどこへ行くとか、なぜ人は生まれてくるのかとか、わからない。
電気や水道、ネットや電話を日々使いながら、それらがどのように作られ供給されているかもわからない。
でも生きている。わからないものに囲まれながら、生きている。わからないことをほっといて、生きている。
そんなことを思ったら、気持ちが緩んで「とりあえず書こう」と先に進むことができました。
「わからない」と共に生きていこう。人生も。研究も。相関関係も(←これは本当にほっといていいのだろうか)。
ちなみに、「論文を書くこと」と「体重が増えること」は相関があると思います。PCの前で動かず、チョコばかり食べて書いていたら、論文が進むと同時にしっかり数字が増えました。ピヨピヨ。
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2024年のテーマは、やめるまで楽しむこと。手放すことを恐れず、その瞬間までを楽しめばいい。そんなハマダのこだわり記事はこちらに収めます。
この記事は「兼業日記」にも収録されています。いろんな仕事を掛け持ちしすぎて、今日自分が何をするのかわからなくなる日々。
ハマダユイ
ソーシャルワーカー11年目。大学教員をやりながら、相談室バオバブで個別相談を受けている。精神疾患にまつわる悩み事、家族のこと、人間関係のこと、仕事のこと…。いろんな人と一緒に作戦会議を開く毎日。
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