「がんばって」「無理しないで」の主語は相手なのだ
「ハマヤマ10minラヂオ 言の葉と息する」の「#23 ほどよいと息する」がアップされた。ぜひ聞いてくだされ。
今回のテーマの中で、相手にとっての「ほどよい言葉」ってなんだろう…という話題になった時に、私が誰かに手渡してきた言葉たちが頭の中でたくさん蘇った。
相手が大変な時に、私たちは言葉をかけたくなる。でも同時に、「がんばってね」「無理しないでね」「ゆっくり休んでね」など、どの言葉をかけていいのかわからなくなることがある。
私たちが相手を思いやって伝えた言葉が、相手にとって全然良くない言葉であることって、あるはず。それを経験値で知っているからこそ、私たちは躊躇する。
この言葉で、嫌な思いさせてない?
相手を苦しめたいわけではないのだ。ただ、相手が健やかでありますように。苦しくありませんように。ただそう願いを込めて言葉かけをしているだけなのだ。この話をした時に、いつも思うことがある。
誰か苦しい思いをしている人に言葉をかける時、英語の場合は主語が I(わたし)で伝えられる言葉がたくさんあるな〜ということ。
一方、「がんばって」「無理しないで」「ゆっくり休んで」の主語は、相手なのだ。
だからそこに正解と不正解が出てしまう。あの人に「がんばって」は、今は違ったかもしれない…など。それは主語が相手だからだと思う。
それならば、私が「ただあなたのことを心配しているよ」という気持ちが伝えられたら良いと思った。
自分のことを考えてくれているって温かい。そばにいてくれることも嬉しい。そしてその言葉の中に、受け取った相手がやらなければいけないことが一つもないのがいい。
がんばってもがんばらなくていいし、無理してもしなくてもいい。休んでも休まなくてもいい。
誰かに声をかけることに迷う人がいるなら、意識してみてほしい。「そばにいるよ」という言葉は、私たちが使うには練習が必要かもしれないけど。
なんか、照れくさいもんね。ふふふ。
_____________________
人と関わりながら自分を大切にする方法を、ずーっと考えているマガジンはこちら。
ハマダユイ
ソーシャルワーカー11年目。大学教員をやりながら、相談室バオバブで個別相談を受けている。精神疾患にまつわる悩み事、家族のこと、人間関係のこと、仕事のこと…。いろんな人と一緒に作戦会議を開く毎日。
バオバブはこちら。