ただ、大丈夫と言って
最近、アートの回路が開いています。
アートの回路は何かというと、音楽聴いたり、映画見たり、本読んだり美術館行ったりしたい気持ちになること。忙しい時は基本的にアートの回路は開きません。映画にも音楽にも心が動きづらい。余裕のある時期に、その回路はボン!と開くのです。
回路が開くと、何を見ても聴いても泣けるし、感動する。
そんなわけで、心動く曲と出会った私です。去年の曲みたいだけど今、知った。
pick up the phone
Henry Moodie(2023)
不安で眠れないあなたにむけて、「大丈夫、あなたは一人じゃないよ。ここにいるから。僕に電話をかけて」と語りかける歌です。
ソーシャルワーカー1年目の時に、不安で仕方がない利用者さんが事業所に電話をかけてきたことがありました。
その時に私は、「大丈夫ですよ。何も起こらないから。息を吸って、吐いて。大丈夫、大丈夫。大丈夫ですよ」と答えました。それしか言葉が思いつかなかったし、大丈夫という言葉は相手を救うと思っていました。
あとから先輩が、「無責任に大丈夫だと伝えるのは違う。今どういう状況か、薬は飲んだのか、いつから不安が始まったのか、ちゃんと聞く必要があるよ」と助言をくれました。
たしかにその通りだと思い、それからむやみに「大丈夫ですよ」と言うことはしていません。相手の不安を和らげる方法は、それ以外にもちゃんとあると今は知っているのです。相手が大丈夫じゃないのに、話を聞かずに「大丈夫」と決めつけるようなことも、私はもうしません。
でもですね。
私自身、「大丈夫だよ」の言葉に救われてきたんだよな〜!!!と思い、無償に言いたくなる時があるのです。
「大丈夫だよ!私がいるんだから、大丈夫だよ!」と。
自分自身が孤独で辛い時は、誰でもいいから、嘘でもいいから、「大丈夫だよ」と言ってもらうことで救われてきました。「大丈夫」は本当に、パワーワードだった。
だってここで重要なのは、本当に大丈夫かどうかではなくて、私が大丈夫だと感じられることでしょ?
この曲を聴いて、やっぱりこういう言葉を伝える役割はアートが一番いいのかもしれないと思いました。
音楽にのせて、文字にのせて、遠くの人へ。多くの人へ。届けてくれるアーティストたちに感謝せずにはいられない。
私の分まで、大丈夫だと伝えてほしいのです。
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2024年のテーマは、やめるまで楽しむこと。手放すことを恐れず、その瞬間までを楽しめばいい。そんなハマダのこだわり記事はこちらに収めます。
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ハマダユイ
ソーシャルワーカー12年目。大学教員をやりながら、相談室バオバブで個別相談を受けている。精神疾患にまつわる悩み事、家族のこと、人間関係のこと、仕事のこと…。いろんな人と一緒に作戦会議を開く毎日。
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