42歳無職が生まれるまで⑨休職中に旅行に行ってしまうことについて
「丸一か月仕事も学校もない」という状況が、これまでの40年間であっただろうか?ちょっと思い当たらない。
これは本当に人生で何度もない機会なのではないか?と思った。
「休職」というと、なんだか家で読書などしながら、なるべく安静に、穏やかに時を過ごさなければいけないような気がしていたが、幸いにも私は元気だ。ケガもしていなければ、起き上がれないような鬱でもない。
先人たち(休職経験者)のnoteやYouTubeをいろいろ見てみたが、かなり鬱が進行してしまった人だと本当に起き上がることすらしんどく、薬を飲みながら日々をなんとかやり過ごし、長い時間をかけて回復していく方も多かった。
一方で私のようにそこまで症状がひどくなく、休職が始まったとたんにケロッと治ってしまう方もちらほら見られた。
私もあまりにも早く体調が戻ってしまったため「休職の見切りをつけるのが早すぎたかな」と最初は思ったのだが、あのまま働いていたら遅かれ早かれ症状は重くなり、私も本格的な鬱になってしまっていたかもしれない。
結局どのくらいで回復するかなど、原因となる職場から離れてみないとわからないのだ。
やはり休職しているからといって、家で悶々とこれからの事を考えているほうが心が病んでしまいそうな気がしたので、その旨を妻に相談すると「今まで行ったことのないところとか、しばらく羽根を伸ばしてもいいんじゃない?」と背中を押してくれた。
季節は8月。私が真っ先に思いついたのは沖縄への旅だった。
沖縄は一度も行ったことがない。いつかは行ってみたいと思いながら、この年齢になってしまった。でも、まだ遅くない。妻は仕事のため一人旅にはなるが、沖縄の海が見てみたいし、シュノーケリングでたくさんの魚やウミガメと泳いでみたい。本場のゴーヤチャンプル―だって食べたい。離島にも行って、水牛にも乗って…ワクワクしてきた。
思い立ったが吉日ということで、私は早々に飛行機や宿泊の手配を始めた。どうせ行くなら沖縄本島だけではなく、離島にも行ってみたい。宮古島か石垣島で悩んだが、ビギナーは石垣島が良いと色々なサイトで見たので、今回は沖縄2泊、石垣3泊、ついでに行ったことのない福岡にも足を延ばして1泊しよう。何とか10万円以内でおさめたいと思い、宿泊はすべてドミトリーにした。何しろおっさん一人旅だ、何の問題もない。
この旅行が終われば、いよいよ早期退職について考えなければいけない。もうほぼ戻るつもりはないが、職場側から異動などの何らかの状況改善案が示されるかもしれない。そうしたら、もしかしたらやり直せるかも。
この頃は、そんな一筋の希望も持っていた。