にこにこ笑顔のクリームシチュー
「ママ、いつお家に帰ってくる?」
電話から聞こえる6歳の息子の可愛い声を聞くと、切ない気持ちになる。
私は、その頃、ちょうど3歳になる娘に付き添って、病院にいた。
娘は、筋肉の難病があり、生活全般にお世話が必要で、よく入院していた。
週末は、家に帰って息子と過ごすために、夫と病院付き添いを交代してもらう。
平日の間、ほったらかしだった息子。
「今日は、ママと一緒にクリームシチューが食べたい!」と満面の笑み。
彼(息子)は、普段から両親を妹にとられてしまうことが多いけれど、今日は、妹とパパが入院中なので、ママを独占できる嬉しい1日なのだ。
この1週間の学校やお友達との出来事を、息子は休む暇なくずっとしゃべり続けながら、一緒に、かぼちゃクリームシチューを作る。
玉ねぎと人参は息子が担当。
かぼちゃとジャガイモは私が担当。
皮をむいて、包丁で切って準備完了!
鶏肉と一緒にフライパンで炒めて、それを電気圧力鍋にローリエと水を加えてセット。
圧力鍋が働いてくれている間に、息子と一緒にお風呂に入る。
その間も、ずっと、息子のおしゃべりは止まらない。
お風呂から出てきて、クリームシチューの素を入れて煮込む。
その間に、息子はパセリを刻む。
煮込み終わって、お皿にシチューを入れて、パセリをふりかけ、フランスパンと一緒にいただいた。
「ふわふわで、美味しいねぇ」と息子は、完食。
本当に美味しかった。
よっぽど、嬉しいのか、その日の宿題の日記には、クリームシチューのことを書いていた。
クリームシチューで元気をチャージして、私は次の日からの、娘との付き添い入院を頑張って、息子はママがいない日々を頑張ってくれていた。
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あれから、8年たった今。
このクリームシチューの話は、押し入れから出てきた息子の日記を見て思い出した。
そういえば、最近、ローリエやパセリなんて、入れてない。あの頃は、いろんなことに必死で、きっと家で寂しい思いをしている息子に特別なシチューを作ってあげたいという私の思いもあったのかもしれない。
今でも、あの日の息子の嬉しそうな顔と、あの時のシチューは美味しかったと思い出す。
我が家は、娘が頻繁に入院していたのは、コロナ前の時期だった。
だから、付き添いの交代なども割と簡単にできていた。
コロナが流行した、ここ数年だったら、このエピソードは無かったかもしれない。
子どもの入院は、本当に大変。家族やきょうだいが一緒にいられないのは、本当につらい。
親としては、病気の子どもが入院していると、それが心配で、心配で頭がいっぱいになってしまうことも多い。
でも、親が、きょうだい児も、お家で寂しい思いをしているんだと、思いを馳せることができるくらいの、心の余裕を持てれるように、支援がいき届くような優しい世の中になってほしいなぁと思う。
久々にローリエとパセリを買ってきて、シチューを作る時に入れてみようかなぁ。
あの頃、すごく大変だったはずなのに、息子の日記のおかげで、なんだか暖かい気持ちになれるクリームシチューの思い出になった。
#元気をもらったあの食事
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#子どもの入院
#障害児育児
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