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【日記】11月3日(日)~9日(土)



11月3日(日)

今日は全日本大学駅伝とかプロ野球の日本シリーズとかで両親がテレビを観て盛り上がっていたのだけど、自分は全然気持ちが乗らなかった。

そもそもテレビがずっとついている状態がなんだか落ち着かなくて苦手だし、スポーツで熱狂する気持ちが昔からあまりよくわからない。何であんなに盛り上がれるのだろう、といつも思ってしまう。音楽のライブなんかも同じだ。

でもなぜこのように感じるのかは自分でもよくわからない。まあ、ちょっと世の中的には変わっているのかもしれないけど、特にそのことに劣等感のようなものは感じてはいない。
人それぞれ熱が入る対象は違って、そこに優劣なんてないと思っているからだ。

自分が心から楽しいと感じることをとことんやることは、人間として健全に生きていくためにとても大事なことだと思う。
趣味があれば、つらいことも乗り越えられるし、そこから新しい人とのつながりが生まれることだってある。趣味は人に生きる力を与えてくれるのだ。だから、人の趣味はその人の生きがい・個性として尊重されるべきものだ。よくわからないな、と思っても決して否定してはいけない。そんな風に思っている。

今日は自分にとっては、決して気分のいい日ではなかったけど、自分が心から楽しいと思うことを大切にして生きていきたいと思った1日だった。


11月4日(月)

両親の本棚にあった佐藤賢一『王妃の離婚』を読む。
だけど、なんか合わないな、と思ってやめてしまった。きっと今の自分の「旬」なものではないのだろう。ほんとに興味があれば、楽しく読めるはずだ。

自分には合わないな、と思ったら無理せずやめる。これは大事な戦略の1つだと思う。特に趣味の領域ならなおさらだ。我慢が大事なときもあるけど、必要のない我慢はする必要はない。それより自分が心から「楽しい!」とか「おもしろい!」とか思えるものにエネルギーを注ぐほうが幸せだ。せっかくの限られた人生、楽しいほうを選んで悔いなく全うしたい。

一方で、自分には合わないな、という理由でその対象を全否定したり排除したりはしないようにすることも同時に大事だなと思う。
そのときはちょっと違うなと思っても、後になってひょんなことから「これいいじゃん!」ってなることって、意外とある。

最近だと電子書籍がそうだった。初めは「電子書籍は嫌だ。本は絶対紙だ。」と思っていた。けど、三宅香帆さんの『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』を読んだことをきっかけに、電子書籍も悪くないかも、と思い使い始め、現在は紙と電子を使い分けて読書を楽しんでいる。
やはり、寛容さと柔軟性は大事。

今日1つびっくりしたことがあった。
先週の日記でライターのいしかわゆきさんのnoteの記事について書いたら、ご本人からコメントが来たのだ。
ありがたいというか嬉しいというか畏れ多いというか、、
わざわざありがとうございます、、!

お昼ごはんに作ったサンドイッチ。スモークサーモンやアボカド、ブラックオリーブなどを入れてみた。


11月5日(火)

kindleで初めて小説を読んでみた。(ちなみに読んだのはヘッセ『車輪の下で』)
小説は紙の本がいいかな、というのが正直な感想だ。
小説は基本的に全文を読むので、画面を見る時間がどうしても長くなる。そうするとどうしても目が疲れてくる。
日中も仕事でパソコンを使って、さらに読書でもデジタルとなるとなんだか目がチカチカしてつらい。

あとこれは小説を読んで初めて気になったことなのだけど、端末の下に残り時間が表示されているのが気になる。なんだか時間に追われているような感じがして落ち着かない。
気にしないようにすればいいといえばそうなんだけど、時間に追われるのが苦手な自分にとってはちょっと不快だ。

となると、じっくりと時間をかけて丁寧に読みたい本は紙で、エッセンスや気になる箇所をつまみ読みするような本はkindleで読むのが良さそうだ。電子書籍デビューしたのはわりと最近なので、使い分け方はまだ模索中だ。みんなはどんな感じで使い分けているんだろうか。

早くも冬の到来を感じさせるイルミネーション


11月6日(水)

朝井リョウ『どうしても生きている』を読む。
この作品は6つの短編小説が収録されているのだけど、最初の「健やかな論理」と最後の「籤」が印象に残った。

「健やかな論理」は、一番朝井さんらしさが出ている作品だなと個人的には思った。
朝井さんの作品の魅力は、社会の中にある「よく考えるとおかしいよな」と思うけど言われないとその矛盾に気づかない、というようなことをうまくすくい上げて、そこにある人間の心理を描写するところにある。

この「健やかな論理」では、「○○だから△△」という単純な論理の「影」に焦点を当てている。
僕たち人間はどうしても納得できる理由というものを求めてしまう生き物だ。そんな人間にとって、「○○だから△△」という論理は心地のよいものだ。

しかし、こうした論理はとても単純がゆえに危険なものでもある。それはときに「自分は大丈夫、わかっている」という慢心や「○○だから△△」ゆえにそういうものだなどという思い込みや偏見を生み出し、人を傷付けてしまうことがある。
そのことをうまく描写している点が良かった。

一方「籤」は、自分の弱さを突き付けられた作品だった。この作品には、出生前診断で陽性が出たことにショックを受ける夫婦が出てくるのだけど、もし自分がこの立場だったら、、といろいろと考えてしまった。

障碍を持った子どもの親になる覚悟はあるのか、障碍を持った子どもがいることで自分の自由がなくなってしまうかもしれないことを受け入れられるのか。
自信をもって「イエス」と言えない自分がいる。

自分の幸せを第一に考えてしまう人間の弱さ、自分の幸せが自分の力ではどうにもならない要因によって妨げられてしまうことを受け入れる自信がない自分の弱さを突き付けられたようで、心がうずいた。


11月7日(木)

仕事帰りに電車に乗ったら、スカイツリーの来場者数が5000万人を突破したという広告が出ていた。

それを見ながらこの5000万人には、おそらく複数回行った人や外国人観光客も含まれるのだろうけど、一体日本人の何パーセントがスカイツリーに行ったことがあるのかな、ネプリーグの「パーセントバルーン」の問題に良さそうだななんてことを思う。

昔、中高生のころネプリーグは好きでよく見ていたのだけど、今も「パーセントバルーン」はあるのだろうか。
正解に近いパーセンテージを予想できたときが嬉しかったり、意外な世の中の傾向を知ることができたりして個人的には結構好きなステージだった。
あと、たまに林先生が大きくはずすのが面白かったな。わざとなのか本気なのかどっちなんだろっていっつも思っていたけど。懐かしい。


11月8日(金)

夜は新橋の中華料理店で大学時代の友人たちと会って食事をした。
19時すぎに集まって解散したのは23時すぎだった。4時間ほんとにあっという間だった。仕事での4時間はあんなに長いのに、気心知れた友人たちと過ごす時間はなぜこんなにも短く感じるのだろうか。

何をそんなに話していたかと聞かれたら、とくに、、という感じだけど、そういう他愛のない話で楽しい時間を過ごせる関係がある、ってすごくありがたいし幸せなことだと思う。

最近のそれぞれの仕事の話をいろいろとしたのだけど、聞いていて感じたのは仕事は結局、人間関係なんだなということだ。
人間関係に希望が持てれば、多少仕事が合わなかったりつらかったりしても、なんとかやっていける。
でも、人間関係がダメだと毎日のことだし、頼るということができなくなってしまうから、どうしても精神的につらくなってしまう。

その仕事を評価する尺度はいろいろあって、何を重視するかは人それぞれだけど、最も大事なのはお金でもやりがいでもなく、自分の居場所があるかということだと思う。

そう考えると、一番勉強すべきは仕事で役立つスキルではなく(もちろんそれも大事ではあるけど)、人間関係をうまくやっていくために必要な心持ちなのかもしれない。


11月9日(土)

綿矢りさ『インストール』を読む。
夢中になって読んでいたらあっという間に読み終わってしまって、「え、もう終わり?」という感じだった。
本作は綿矢さんの処女作なのだけど、17歳のときに書いたものだというから驚きだ。とても高校生が書いたものとは思えない。とんでもない想像力だ。

この作品で印象的だったのは、主人公の朝子が「失う」ということを通じて、自分にとって本当に大切なものに気づいていく姿だ。
朝子は不登校になり、自分の部屋にあるものをほぼ全て捨ててしまう。

そうやって周囲との人間関係や自分の身の回りのものを失うことを通じて、朝子は生身の人間との関わりやそれまで何とも思っていなかった身近にある生活品の大切さに気付く。
これはとても大事なメッセージを含んでいる。普段何とも思っていないけれど大切なものというのは、それを失って初めてその価値に気づく、ということだ。

最近で言うと、学生時代の友人とのつながりの価値の大切さは、一時的ではあるけれど「失う」ことを通じて体感した。
学校などで共に過ごしていたときは、それが貴重だと感じることはそれが普通であるがゆえにほとんど感じなかった。

だけど社会人になって、職場の人間関係と学生時代の友人関係との違いを肌で感じたり、友人に会いたいと思ってもそう頻繫に会うのは難しいという経験をしたりすることで、その貴重さやありがたさを心から感じた。

当たり前のことって意識することは難しいけれど、そこにははかり知れないほどの価値とありがたみがある。そうした価値とありがたみを忘れずに生きていきたいなと思う。







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