20:施設にきたけれど車から降りない、 Aさんの気持ちや、いかに?!
こんにちは。
介護や認知症の悩み相談の
Haluhaave(ハルハーヴェ) MISAです
介護や家事、はたまた認知症の対応で大変な女性の力になれば、
との思いで活動しています。
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今日は、
施設にきたものの、
送迎の車から降りないAさんの心中を、
想像・連想する というお話です。
以前、介護施設で働いていた時に、
「Aさんが車(送迎バス)から降りてくれないんです〜!」と
運転手さんの泣(なき)が、時折入ることがありました。
さあ、どうしましょう。
なぜ、降りたくないのだろう??
いろいろな想像を巡らせながら、車へ向かいます。
併設のデイサービスやデイケアは、介護福祉士・ヘルパーという介護スペシャリストが対応しているので、乗車や降車の拒否があっても大概なんとかします。さすがです!
ですが、ショートステイ(お泊まり)の方は、
運転手さんが事務所まで連れてきてスタッフとバトンタッチ。
という流れ。
降車拒否ってあまりないんですが・・・。
この日のAさんは断固拒否。
認知症のあるAさん。
なぜ嫌なのか怒っているのかを訴えておられます。
しかし私たちには解読ができず、発せられる言葉からは、
理由が探れません。
”声かけた運転手さんの何かが、Aさんの気に触った?”
と想像し、バトンタッチ。
降車を促す人を変えてみましたがこうを奏さず。
”大きい車なので降りるのが怖いのかも?”
と推測し、ヘルパー資格をもつ運転手さんに交代。
大丈夫ですよ、しっかり支えますよと優しく声かけしますが、ダメです。
”男性がだめなのかも?”
と推測し、事務所にいた私にバトンタッチ。
しかし私は介護職の資格はないので、やや頼りない存在・・。
私で大丈夫か??と思いつつ、車に向かいます。
この状況に警戒していると想定し、気持ちを荒立てないような
方法を考えます。
ゆっくりとにこやかに近づきます。
目線を合わせ
穏やかな口調でAさん、よく来られましたね
と声をかけます。
聞き取りやすい音程になるようにも心がけます。
今日はご機嫌がすぐれませんか?ドライブは疲れましたよね。
ここではなんですし、中に入ってお話を伺わせていただけますか?
(といいつつ、そっとAさんの手を取って、反応を伺う)
あなたを知っていますよ
あなたの敵でなく好意を持っているんですよ
なんだかわからない怒りの理由を聞きますよ
という姿勢を示す。
車へ向かう前に、私で大丈夫か?とよぎった思いも封印。
なぜなならそんな雰囲気こそ、認知症の方に伝わるからです。
Aさんの言葉が意味を成さずこちらに理解できないからと言って、
こちらの言葉が通じない、とは限りません。
考えていることが以前のようにうまく言葉にならないだけ、
という可能性もあります。
なので、通じていると想定して、
丁寧な言葉で、敬意を払い声かけします。
もちろんこちらの言葉が、Aさんの中でうまく理解できていない
場合もあります。
そうなると、「言葉の意味」はあまり有効に働きません。
声のトーン、身振り手振りや表情など、他の手段を駆使します。
安心して警戒を解いてもらえないかと考えます。
これを声かけの段階で同時進行。
声かけ、行為が「うっとしい」と感じている様子であれば、
言葉がけはやめます。
元々性格的に気の強い方とご家族から聞いています。こじれないような配慮も必要そうです。
Aさんがショートステイ(短期の泊まり)に乗り気でないことは
感じていました。
なのに、前回の時にやや強引に車から降ろされたかもしれません。
前回の記憶は曖昧かもしれません。
しかし、車や施設の入り口、そこを過ぎると、どこかに連れていかれ、
楽しくなかったと、うっすらとした印象が蘇ってきたのかもしれません。
認知症になり、どこへ行ったなどの記憶ができなくても、
「好き嫌い」、「楽しい辛い」など味わった感情は忘れない
と言われています。
なんとか嫌な印象を払拭できればと願いながら、
想像をくるくると巡らせながら、Aさんと向き合いました。
とにかく、
どの運転手さんのことも嫌がるので、そばから離れてもらい、
私が対応することで、その日は降りていただけました。
正直なところ、なぜ降りてくださったのかははっきりとしません。
私の対応が成功したのか、
女性だったからか、
運転手さんとのやりとりで疲れてしまったのか、
私の服装が良かったのか、
ただの時間の経過なのか、
はたまた・・・。
性格や人生歴などの情報があれば、それを参考にしながら
対応を考えたりもしますが、その場その場のその方の反応も
大事にします。
この声のトーンだと目をこちらに向けた!
服装で何か(何者か)を判断している感じ
笑顔よりもスキンシップの方が受け入れ良かった
日によって気分や思いが違うのは私たちにもありますよね?
なので、同じ対応をしてもうまくいかないことはあります。
(実際、次の回、私は撃沈しました・・・)
都度試練になってくるのですが、
反応が良かった対応をスタッフで共有するようにしていましたね。
そうすることでAさんが嫌な思いををする頻度が減り、
「施設へのマイナス」イメージが徐々に減っていった様子でした。
(※施設利用を嫌がる方が、全員拒否なく楽しんでもらえる。
とは限りません。
何をどうしても全くダメ!、な方もあります。
そんな時はどう考えるのかはまた別の機会に・・。)
「施設にきたけれど、車から降りない」
その事柄ひとつにさまざまな理由や思いがあるのかも?
その可能性を知っていただけたらなあ、と思い書かせていただきました。
それでは今日はこの辺で。
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介護が必要な方も、それを支える方も、楽しく豊かな生活ができることを願って・・・。
うまく行かなくても、落ち込んだりご自身を責めたりはしないでくださいね。
日々充分頑張っておられますので、そんな必要はないとわたしは思います。
責めたって良いことはありません。
「頑張ってるわ私!」と、ぜひご自身を褒めてあげてください。