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砺波へひとり、プチそば旅~「手打ち石臼挽き蕎麦 福助」
2022年ももう3か月過ぎようとしています。
そういえば年末からそば旅していないなぁと、ふと気づく。
いや、そば旅どころか、そば自体、食べてない??
そば好きなのに。なんか食べてなかった!
そうなるとね、口がそば口になるんですよ。そばが食べたくていてもたってもいられなくなる。
これはもうね、行きますよね。そば旅に。
とりあえず、並ぶけれど予約が必要なく、久しぶりにお気に入りのあそこへ行こう――。
車を飛ばすこと40分。富山県砺波市の畑の中にぽつぽつとある民家の中で、とりわけ目を引く立派な古民家にたどり着く。
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そう、ここが目的地の「手打ち石臼挽き蕎麦 福助」さん。
かつては養蚕場だったという黒部山間部にあった古民家を移築、リノベした店は重厚で趣があり、お店に到達した時点からすでに福助ワールドが広がっているんです。
実はここ、そばだけでなく、そば前やそば懐石も秀逸で。つまり料理もとっても美味しいのです。
さらに、銘酒や選りすぐりのワインもあったりと、じっくりと腰を据えて楽しめる蕎麦屋なんです…が、今は昼営業のみで、料理についてはあまり広くやられていないようです、残念。
さて、今回は久しぶりに伺ったということで、オーダーしたのはお店おすすめの「鴨汁せいろ」のそばは玄挽き田舎。
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ここのそばは、地元を中心とした国産のそば粉を使っていて、そばの殻をむいたのど越しのいい「細挽きせいろ」か殻つきを一緒にひいた「玄挽き田舎」をチョイスできます。
つけ汁はあたたかい鴨汁。地元の蔵の絞りたて生醤油を使用し、具はシンプルに鴨肉と甘い葱。
まずはシンプルにつけ汁につけて。超極細だけれど玄挽き田舎の濃厚な味わいのそばとの絡みもバランスもよく、舌へ喉へ、うまみが駆け抜けていきます。
そして柚子胡椒を解いて。これまた風味がアップし、また味に深みが。
最後は黒七味をふって。これは間違いない。そばも、鴨も、ねぎも黒七味とはベストパートナー。
いろんなうま味を感じつつ、食べ進めていると……
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天ぷらが登場。
極太の瑞々しいアスパラに根っこまで立派な野せり。まさに春の極上天ぷらは、なんと店主のご厚意。
いつも遠くからきていただいているし、待たせてしまったから、と、なんともうれしいサプライズ。
確かに30分くらい待っていたのだけれど、待つ時間も実は楽しいんですよね。必ず美味しいものに巡りあえると確証しているときは待てるんです、私。
さっくりジュワーッと広がるアスパラの美味しさに感激しつつ、そばもしっかりいただき、〆の蕎麦湯まで飲み干したらさすがにお腹は膨らんで。
食後の運動に近くのイオンモール内をくるっと歩き、そば欲を十二分に満たしてくれた砺波の町を後にしたのでした。