伝統話芸の凄み
昨日は初めて落語をナマで聴いてきた。とてもいいエンタメ体験であった。
5人の噺家さんの出演。会場はシニアだらけで、あくまでも推測だが、アラカンの私も平均年齢を押し下げる側になっていたのではないか。
「笑点」も観ない私とあっていずれの演者も初めて名前を知るほどだが、それぞれ滑稽、華やか、人情噺の渋さなどの個性を見せてくれた。トリの大御所さんのパフォーマンスでは、たっぷりとした“間”でも物音ひとつしないほど会場全体が引き込まれ、芸の凄みを感じる。
おそらくその日の客層や反応ぶりを計算して、まくらやリアクションを変更しているのだろう。イントネーションを間違えてしまった際も、とっさにそれをギャグにするなども面白い。
それどころか、演目も事前に知らされていなかった。終演後のロビーに貼り出されていた一覧を客のみんなが記念撮影していたので、こちらも当日ギリギリに決めているのかもしれない。
中堅どころの二人の噺家さんが特に印象に残った。こうしてお気に入りができてくるとさらに興味が募るのだろうな。
あの二人が出ているタイミングがあれば、次は定席の寄席にも行ってみようかな。新しい芸人さんとの出会いもあるだろう。
「犬も歩けば棒にあたる」。家にこもって本ばかり読んでいないで街をウロウロすれば、面白いことは転がっているんだな。
(23/7/3)
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?