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「華」を見抜く眼力
山之内すずさんの「華」
通勤電車の車内に山之内すずさんをキャラクターに起用した女性向けエステの広告がいっぱいあって、知らないうちに眼が向いてしまうことが多い。可愛い。
絶世の美女というわけではないし、スタイルが抜群でもない。透明感があって幼く見えるので、「中学校のクラスにひとりくらいはいる、ちょっと気になる可愛い女の子」というところか。それでも惹かれるものがあるとは、つまり「華」があるということだ。
「華」は、人によって感覚が違うので、なかなか言葉にするのが難しい。例えばかつて大ブームになった韓流ドラマ「冬のソナタ」ヒロインのチェ・ジウさん。かなりの美人であることは確かだが、私には「華」があるようには見えなかった(ドラマは未視聴、写真での印象)。
アナウンサーの原石を見抜く“眼力”
かつて採用試験の面接官としてアナウンサー職志望の女性たちに大量に会うことがあった。そもそも容姿に自信がないと応募もしないだろうから、どなたもお綺麗。1日を終えるころにはぐったりと疲れてしまう。
先輩の男性アナウンサーが、一斉を風靡したある女性アナウンサー(すでに退社)の面接について、「たまたま彼女の1次面接を担当したのだけど、部屋に入ってきた瞬間に『これだっ!』と確信したね」と話していた。
私にも似たようなことがあった。ある年、ひとりだけ抜群に輝いている女性がいた。採点にはもちろんマルを付けながら、「この子はきっと採用戦線をかなり進んで行くんだろうなあ」と思ったが、結局弊社にご縁はなかった。名字だけは覚えていたのですこし気にかけていたが、その後は他局などでも見かけることはなかった。結局どの道へ進んだのかな。
「華」を見抜くにはある種の“眼力”が必要だ。
これも弊社の例だが、ある年の新人アナは私から見てどうにも“芋っぽい”感じがぬぐえず、「ありゃー、この子はどうなんだろう」と危惧の念を持った。ところがそのアナウンサーはみるみるキレイに変身していって、数年後にはすっかり売れっ子に。退社したいまもタレントとして露出し続けているのだ。その原石を見抜いた会社の眼力に敬服した。
男性タレントでも同じだ。有名な話だが、ジャニーズ事務所のタレントさんはジャニーさん特有の“アンテナ”にひっかかる男の子を選んでいた。言語化できないだけに、ジャニーさん亡きいま、その“眼力”の継承が事務所の存亡にかかわってくることになる。
(21/12/20)