「リタイア後はのんびり田舎ぐらし」?
(写真はみんフォトより。本文とは関係ありません)
福井県池田町が発行する広報誌が「池田暮らしの七か条」として「移住者は都会風を吹かさないで」「品定めされることは自然なこと」と掲載、「住民が反発」という記事が出た。
共同通信記事がYahooニュースに載ったものが目についたが、そもそも「福井新聞」がオリジナルのようだ。
見出し風にとりあげられた一部の文言だけを読むと、まるで「頑迷な田舎モンが都会からの移住者を拒否している」ようにも受け取られるかもしれない。
しかし実際の「七か条」を読んでみると、決して挑発的な文言が並んでいるものではなく、その印象は変わる。
地域にはその地域なりの「共同作業」や「暗黙のルールと秩序」があって、ハナからそれを拒絶するような態度の移住者がいては困る、という地元の方不安は理解しなくてはいけないだろう。
しかし。
いくら丁寧に「心得」を説いてくれたとしても、記事の背景を思うと「あーあ、田舎ぐらしにおける地元との軋轢は、やっぱり面倒なのね」と思ってしまうことは避けられない。
身近でも、中学時代の恩師は八ヶ岳山麓に移住したし、長野県の蓼科に居を構えた会社OBもいる。それを聞けば「空気のおいしいところでのんびり過ごす余生もいいだろうなあ」と夢想もする。
しかし冷静になってみると、濃厚な近所づきあいや、肉体的にキツイだろう共同作業などは、とことん面倒でしかない。交通アクセス、医療、図書館の充実度も心配だ。定年後に「さあ、これからはゴルフ三昧」とコースの近くに住んでみたら、実はさっぱり面白くなかった、という話もよく聞く。
都会の喧騒を離れた田舎がキラキラして見えるのは、わずか数日間の“余暇”を通じて見ているだけだから。実際に住むのは、また別の世界。
こう考えているのがいいのでしょうね。
(23/29)