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Photo by
yorozu_koubou
客寄せの「人形供養」
先日の新聞朝刊の折込チラシで目に入ったのが「ぬいぐるみ・人形供養&葬儀なんでも相談会」というもの。詳しく読むと葬儀会社の営業チラシなのだった。
曰く「ご家族の役目を終えた人形をお寺様の読経で供養いたします」「心を込めてご供養いたします」「お預かりしたぬいぐるみ・人形は当日お寺様に供養していただき、終了のご報告を後日会館前に貼り出します」「○○会員様は20体まで無料」「人形の返却はできませんのでご了承ください」とある。こうして客とその個人情報を集めて、墓地や葬儀の営業にするという手法だ。
うむ。確かに長年居座っている人形はどうしても安易にゴミとして捨てる気にはならないもの。そこに“魂”を感じてしまうから、「歩いた」「笑った」「髪が伸びた」という怪談噺にもなってくるのだろう。
我が家でも長男が子どものころに買った猿のぬいぐるみを弟のように扱っていた頃があり、当人が結婚・独立した現在もいまだにソファに鎮座している。この“弟”をポイっと捨てる気にはどうしてもなれないのだ。
それにしても「お寺様」が「読経」するのか。きっと葬儀社と提携している僧侶がある程度のお布施=ギャラをもらってアルバイト感覚で出張してくるのだろうな。一定時間の読経でどれくらい貰えるのかな。
21世紀のいま、少子化と檀家離れによる仏教寺院の“経営”が苦しいだろうことは想像できるので、いまさら「葬式仏教、ここに極まれり」などと嘆いても仕方がない。それでもこうした「営業」に「出演」しなければならない僧侶サンの気分はあまり明るいものではないだろうなあ。