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テレビの“文法”として、どうなんだろう?
ちょっと面白いものを見てしまった。
けさの日テレ系「ウェークアップ」では、不信任案が可決したばかりの兵庫県の斎藤知事がスタジオにやってきて生でインタビューを受けていた。渦中の人物をこのタイミングで生出演させたのは大したもの。東京では日テレで見ることになるが、大阪制作の番組なのだろうな。
もちろんインタビューの最大の聴きどころは、不信任案可決を受けて知事職を辞職するのか、それとも県議会を解散するのか、知事の決断である。過去に4例ある県知事の不信任案可決で議会を解散した例はないというが、この知事の特異なキャラクターから「もしかすると逆切れして議会解散を選択しかねない」というハラハラ感が共有されている。斎藤知事はもちろんこの場では“決断”内容を明らかにすることはなく、「ほぼ固まりつつあるので、近いうちに表明したい」と述べるにとどまっていた。
気になったのは、番組進行である。
生出演パートの最後は女性キャスターが「本日はお忙しい中にお越しいただきありがとうございました」と〆て知事も頭を下げる。ここまではいたって普通の進行だ。ところが番組は「では、ご退出ください」と知事を促して、そのままダイレクトにゲストやコメンテーターとのトークに移行したのである。トークでは「知事が話したこと」の抜粋を手書きフリップ一覧にまとめ、元大阪府知事の松井氏などがあーでもない、こーでもないと“解説”する。なにしろつい30秒前までご本人がいたばかりである。それをシームレスに取り上げるのはなかなかの違和感だった。
これまでのテレビの“文法”では、ここは「では、いったんCMです」とするのが普通だったように思う(CMがないNHKではできないが)。知事やインタビューアーがスタジオ内を移動するという“間”が気持ち悪いということもある。もちろん、CMまたぎでは次のコーナーのさわりだけをチラ見せして視聴者をつなぎとめるという手法もあるが、このケースはちょっと違う。
テレビ番組では番組ごとに「フォーマット」が定められていて、CMの本数・タイミングが細かく決まっている。このため、もしかすると今回は物理的にここでCMを入れることができなかったのかもしれない。
それにしても、ついさっきまでそこにいた人物のことをそのまま取り上げる違和感はどうにかならなかったのか。生出演を実現したところまではよかったのに。
(24/9/21)