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弘法大師が野宿した「十夜ヶ橋」のエピソードを思い出す

 「10年に一度」とされる最強寒波。25日は朝が冷え込んだだけではなく、日中もさっぱり気温が上がらずに、冷蔵庫の中にいるような気分だった。
 
 前日24日は旧友との会食で帰宅が22時過ぎになった。最寄駅から自宅へ帰る際には、寒さだけでなく強烈な北風にも襲われて、鼻がもぎ取られるかと思うほどだった(いささか大袈裟)。
 
 気象庁ホームページでこの日の東京アメダスを見ると、16:30は南西の風で気温10.8度だったが、17:30には北西の風で3.0度。風向が変わって、気温が一気に7度以上も急降下していたことになる。
 
 就寝が遅かったこともあって翌朝のジョギングは閑却したが、出勤時の3駅30分ウォーキングは実施した。 念の為、いつもは持たない携帯カイロをお腹に貼った。

 この寒さで思い出したこと。

 四国にはお大師さま(弘法大師)ゆかりのスポットがいっぱいある。そのひとつが愛媛県大洲市の「十夜ヶ橋」。

 野宿をした修行中の弘法大師があまりの寒さと空腹で眠れずに一夜を10日ほどに感じた、という伝説がある場所だ。このため、いまもお遍路さんは四国ではどの橋であっても杖を突かないのがマナー。「橋の下で寝ているお大師さまを起こさないため」という。
 


 最近、ウォーキング途中の小さなガード下でひとりのホームレスを見かけていた。氷点下の朝、その姿が自分の中で十夜ヶ橋のお大師さまにつながって、「この異常寒波で、大丈夫かな」と差し入れのカイロをひとつポケットに入れて自宅を出た。

 しかし、いつものスポットに行ったところ、そのホームレスさんはいなかったのである。あまりの寒さのためにどこかへ「避難」したのだろうか。もしそうしたスポットがあるのならば、それはよかった。

 3年間のコロナ禍でお寺へ参拝に行く習慣がすっかりなくなってしまった。それでもホームレスと寒波の連想から十夜ヶ橋のお大師さまを思い出した。ちょっと不思議な気分だった。
(23/1/26)

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