遅延証明書の“誠意”
首都圏の通勤電車はJRや私鉄の相互乗り入れが広がる一方だ。私が乗る路線も、行ったことも聞いたこともない隣県の駅と繋がっている。便利になるの当たり前だが、ひとたびダイヤの乱れが発生すれば、池に石を投げ込んで広がる波紋のように影響が広範囲に及ぶ。
いつものように3駅ウォーキングをした先日の朝。
会社最寄り駅の隣りまでは到達したが、アナウンスで「非常停止ボタンが押されたために駅と駅の中間地点で停車して車両点検を実施しています」と知らされる。
待てど暮せど電車はこない。電光掲示板は次の列車について「5分遅れ」「10分遅れ」「20分遅れ」と伸びていくし、ホームには人が溜まる一方だ。
結局20分近くホームに立っていた。当然、やっと来た電車には乗客が満載である。
しっかり記録しているわけではないが、朝のダイヤは毎日のように乱れる。たまに時刻表どおりにやってくると「ほぉー、今朝は頑張ったじゃねえか」と肩を叩いてホメてやりたくなる。
世界的に見ればここまでの巨大都市において分刻みで正確に運行されることが奇跡、なのだろう。それでも日本人はそこに期待してしまうならいになっている。
さらに腹が立つのが、下車駅で配っている「遅延証明書」である。いや、「配って」もいない。改札の横の箱に放り込んであるのを「勝手に取っていけ」である。
「ご迷惑をおかけし、誠に申し訳ございませんでした。」とおざなりに書いてあるが、腹が立っているからだろう、こうした文章まで慇懃無礼なものに感じる。誠意が感じられないところは、麻生太郎がマスコミを前に不祥事を謝ってみせているのとどっこいどっこいのレベルだ。
結局、「ダイヤの乱れにプンプンしているおっさん」だなあ。
(22/12/14)