カット・エンド・ポエム 02
疚しさばかりを暴ける光
宝石ふたつをはじめから
影すら灼くのか
まるで白昼夢みたいだろう
うつろの石を磨いてみせろ
きっと頭蓋の欲求だって
塵の手前に星ひとつ
ダイヤの後ろに散り光
神さまひとつ聞かせておくれ
憎むべきはオパールのまなざし
触れた場所から灰になる
光るものたちの化身
硝子だったら身にも着けよう
透きとおる爪先
映したものから色めくよ
絶えた十字架に祈れるかい
金糸で織れるタペストリー
美しさの定義
その輝きで無色になれたら
✵
名を呼ぶだけの声
心ばかりは手入れができない
踏みしだけなかった八重むぐら
いのちのために冷えゆく両手
約束もない丘の果てまで
花の棘も魚の毒すら些細と歌える
蝋の羽は溶けてしまった
だから空より深く潜れる
土の中にも海の底にも生きた化石
雨の代わりに砕ける水晶
明日の視界はきっと鮮やか
今に花ひらく心から
つぼみは永遠
曇ればそこから梯子を架ける
あの日の雨のわけを拐って
あなたもわたしもただの人
✵
その皿割ったの何枚目
食べ残したものをすべて言え
どうでもいい
物忘れの墓場にて
なんて日だ
かぎ付けた狼
いつまでも白いシーツよりは
吹き消されるならおまえがいい
呪わしい過渡期
ひっくり返したところで夜
隠したのはルールの本
食らうパスタに主語を乗せ
楽土はいつもくだらない
たとえば飛んでも驚かないくせ
振り出しに戻る
この世の終わりみたいな空
はじめからはじまりのない部屋
馬鹿々々しい血の誓い
寿命と言うほど
どちらか欠けたら売っちまおう
✵
みっつの熱の数え方
影と呼べずに呼ぶ名前
夜明けはきっと果てなき孤独
命の翳りその限り
三つ編みのたてがみ
金の空洞に満たせる歌
代わりの雨しずく
すべてを飼う心の臓
一番星より光る赤
たそがれ、次の火
時の鐘が告げたもの
裸足のジャッカロープ
たったひとつ真実を
いとしい泡沫
生くるすべ
美しい獣
20180517 フロム・ツイッター
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