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カット・エンド・ポエム 03

凍えられない夜の色
あの梟は染まる青
重力ばかりを望んでいたはず
自分の羽すら毟れずに
骨の向こうも脆くない
底まで深まらない闇ならば
そこまで光れない星にでも
歌を、このくだらない約束へ
帰り道に隕石ひとつ墜ちないよう
笑うためにはまばゆい朝陽
たやすい希望
たとえばきみがつくる星座盤
飛べなくてよかった
吐いた息すらいのちの理由
はじまりよりも騒いでほしい
よければ終わりに爪立てて
忘れていたのは明日への返事
青い鳥、ぼくの星を繋いで

ナイト




其れは真に名の如く
龍の食卓
火の杯
汚れを厭わぬ雨あらし
鯉か龍か、或いは鮭か
灯らずの硝子
瞑った片目で見える熱
腹を満たす炎ばかり
生くるための足枷
その軽口は酒に等しく
その唇は易々と明日を歌え
ただその目だけは今日の晩餐を
焼き切れるほど細い糸
何処まで往こうが明るい街
そういえば翼はないらしい
鉤爪がはじめに掴んだもの
この心臓

今しばらくはおまえの火の粉



荒野と呼ばない地平線
白の言の葉
夜明けの在る場所
誰がための剣
跪く太陽
旗、しるべ
サライの休符
吐く息より波音
羽根越し
かの灯台は哭いているか
燻るうなぞこ
果てが眩しくなりすぎる前
光る底なし
浅瀬のけもの
暮れの魚影ら
時化、或いは落日
枯れる日に落ちる陽は
振りかざしたのは明日
踏みしめたのは今日
掲げよ心

青くたなびく騎士たちへ



勝てば官軍
誰そ彼の地図
もくろみの引っ掻き傷
食める雑草
波打つ背
狙いどころに吊るす花
たとえたとえば漂えば
手のひらの子守唄
彼らはすり抜ける鍵穴
鈴なしの気配
銅貨と一杯
銀貨と食糧
金貨と心臓
毛繕いの史
獣と呼ぶか、獣と呼べるか
その静けさで土を踏め
昏やみにて光る
忍び研ぐ爪先

自由をのぞむ動物どもよ




陽、いつからそこに
正しい瞳
はじめに目にした真裏から
孤独のわけは地上になく
引き換えの未来
きみを切り抜けた心臓は
旅と呼ぶには短い距離
ならば勇気の散歩道
老いぼれた花束
たとえば逸らせぬ極彩色
洩れた声から体温になる
まじないを解く
歌い出せば溶けない魔法
途方に暮れるほど光
夜が美しく明けるため
これから磨り減る靴底にて
きっと此処はまばゆい荒野

命をはじめた素足なら



20180524 フロム・ツイッター

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