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綿谷真歩
2018年5月2日 23:17
あの手のひらを憶えているたとえば揺れる髪の毛がすべて宝石だったなら地を這うことなど容易かったきみが庇った太陽両目で見るにはまばゆい光白い嵐になりたがる鳥すら風ではないというのに右目で光を見た、左目では影を見ていたその苦さを閉じ込めた水晶ターコイズ、きみは割れたか彼が掲げたアパタイトほほえみのための重力羽などないからその重さで笑えるだろういま左腕に光冠いま両目