『もう社長業は演じなくて良い』
■過去のホールハート
2001年から人材紹介業に携わって21年。
社員を採用する環境が21年間で大きく変わってきている中で、人材紹介業というビジネスは4,000億円という市場に成長してきました。
一方で、簡単に採用ができなくなってきているという現状があり、人材紹介一本ではなく、それに纏わるような「副業」「社員のシェアリング」「はじめてのエンジニア」などのビジネスをスタートさせました。
そこに至るまでのホールハートは、
個人に能力がある1人1人が自立した優秀な集団
でした。
それが5〜6年前のことで、個人の目標を第一に考え、全員が頑張れるような組織だったため、個々人が上手く機能していました。
■必要だった変化
その後、周りの社長達の影響やあらゆる要因があり、上場を目指すようになっていきました。
その中で、徐々に組織が上手く回らなくなり、初期から一緒に頑張ってくれていた社員が次々と辞めていきました。
今となれば、ほぼ全てのメンバーが入れ替わりました。
そうしてやっと、社員全員が同じ方向に一丸となって向かい戦える組織になってきたと思います。
一番大きいのは、2021年にスタートした『はじめてのエンジニア』です。
今までは『カッコイイ会社』を目指していましたが、
未経験エンジニア向けの事業を始めたことにより、
『個人の能力が優れているだけの「カッコイイ会社」をやめたこと』
が、この1年で一番大きな変化だと思います。
■社員との関係性
実は、私自身はプライベートでは【仲間愛】や【家族愛】などのエピソードに弱いタイプの人間です。
しかし、なぜか会社では
『 “ 社員 ” と “ 経営陣 ” の関係値を大切にする会社にしよう』
という風には思っていませんでした。
どちらかと言うと、
素晴らしい戦略や戦術があり、それを1人1人が実践すれば結果は出る
という考え方でした。
恥ずかしながら、その考えが間違っていることに最近気付かされました。
今のホールハートは、すぐに仕事ができるかどうかは関係なく、
「頑張りたい」
「スキルをつけたい」
といったやる気のある人であれば、未経験でも採用しています。
そして、そういった社員が実際に活躍し、背中を見せることで
入社して間もない社員も『自分も活躍できる』と思ってもらえる組織になってきました。
経験は関係なく、自分の「夢」や「やりたいこと」など、
未来の自分のために、自分を信じて走れる人たちと一緒に事業を成長させたいと思っています。
実際に、『それを体現できる会社だったら最高だな』と思うようになりました。
■採用方針の変化
現在の採用方針は、
理念に共感する人/価値観の合う人
を採用しています。
しかし、そこに至るまでの採用は、
経験者に対して給与や条件を軸に交渉していました。
全く対照的なことをしていましたが、間違っているとは全く思いませんでした。。。
単純に給与で返すのではなく、
「生き方を支援する」
会社にするために、体制や制度を変えていきたいと思っています。
■新たな目標
今のホールハートは、
「社会で働くすべての人たちに新しい選択肢を」
という目標に向かって進んでいます。
以前のホールハートのように、
個々人の経験が活きて、経験者の紹介を行っていた時には、
「はじめてのエンジニア」のような未経験領域事業に気付くことができませんでした。
しかし、実はこれが自分のやりたいことだったと痛感しています。
20年以上も業界に携わりながら、最近知ったことですが・・
少し前まで高校生の就職活動は、(※全てではありませんが)
高校に提出された求人にしか応募出来ない
かつ
内定が出たら必ずその企業に入社しないといけない
という暗黙のルールがある高校も多く存在し、高校生は自由に就職活動ができない状況にあるという事実です。
ものづくり大国ニッポンの地位を守るために、各工場等の人材確保ルートを守っている仕組みであるとも言えると思います。
そういった暗黙のルールや、働く仕組みの歪み、日本の働き方には合っていない労働基準法などの問題に対して、それらを正す会社になっていきたいと思います。
■愛のある経営
すごくシンプルな言葉にすると「愛のある会社」。
実はそういう会社にしたいと思っている自分に、今まで気付きませんでした。
「私自身の発言」と「自分の本心」は少し違っていたように思います。
それがようやく「自分の心」と「会社への想い」が1つになりました。
ごく当たり前のことかもしれませんが、20年近く経営に携り、やっと・・
社長業を演じずに、自分が思ったことを発言すれば良い
と思えるようになりました。
これは、2001年に人材紹介業を始めた時から初めて抱いた感情です。
本来、自分はこういうことをしたかったんだ
と、今いるメンバーに教えてもらったんだと思います。
さて、話は変わりますが、オフィス移転の話も大きな変化です。
※9月にオフィス移転をします!
今までは、一等地でカッコイイ内装、キラキラしたオフィスで働いていたい
という思いがありました。
それが、現在は
コストを抑えて、抑えた分を社員に還元できることに割きたい
と考えるようになりました。
一等地のオフィスで働くことは社員も嬉しいとは思いますが、
これから更に成長する上では、身の丈にあった場所で仕事をするということが、今のホールハートにとって大事なことだと思っています。
自分がどうしたいではなく、
会社や社員のことを第一に考え、選択していく
ことは、以前の自分にはなかった選択肢です。
数年前。業績不振で苦しい経験をしたことから、同じ経験を社員には絶対にさせたくないという強い想いがあります。
そのため、社員を大事にして、みんなが頑張れる環境をどう作っていくかが社長としての役目だと感じています。
新しい環境で、組織として更なる急成長していきたいと思います。