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アフロ・アジア(セム=ハム)語族についてのわかりやすい説明の試み

*面倒なので言語学的な共通点は何も解説しません興味が出たらwikiにゴー

ちなみにこのシリーズは半年ぶりです

 語族の中でもインド・ヨーロッパ語族に次ぐ規模を持つ語族の一つがアフロ・アジア語族、旧称セム=ハム語族であり現在は北アフリカから西アジアに分布し、かつては中でセムとハムの二派に分けられたがハム語は内部で違う語派で名前が代わっている。

 その起源は不明であるがアフロ・アジア語族分布地域の中心であるエジプト南部からスーダン北部(ヌビア)周辺と主張する場合や、レバント(シリアらへん)を主張する場合があり、前者の場合は狩猟民が農業を導入し、後者の場合は中東の初期農業民がそのまま拡大したプロセスとなる。

 彼らの言語と関連する遺伝子である父系遺伝子 Y染色体ハプログループはE1b1bと呼ばれる系統に属す場合が最も多く、おそらくアフロ・アジア語族では当初から受け継がれていると思われ、さらに、母型遺伝子であるミトコンドリアではM1と名付けられた系統が多く、関連していて、E1b1bの属すE系統は数万年という長いスパンで見ると出アフリカした系統、特に日本やチベットに多いDと近い系統である。

 また、ミトコンドリアハプログループのM1の属すMの他の系統は全体的にモンゴロイドやオーストラロイドに多く見られる系統で、E1b1bとM1の双方が調査の結果、北東アフリカから誕生した系統であると判断されているなどがあり語族の発祥北東アフリカ説が有力となってくる。

 全ての祖先言語アフロ・アジア祖語が話されていたのは紀元前1万8千〜前8千年と広い見立てがあるがその語族内での違いからも同じ系統だとしっかり証明できた語族の中で最も古くに共通の祖先を持つ系統であるとされ、その一方で大きく異なる語派は接触によって変貌しただけの可能性もある。

 セム語派は語族最大の系統でメソポタミア文明で前25世紀以降に共通語になったアッカド語が最も古い記録で、前8世紀には南アラビアの南セム語が東アフリカに拡大、シリアの非常に似通った北西セム語達はフェニキアの地中海全域への進出で一時期広まったのと、8世紀以降にアラム語が中東の共通語になり中世まで広く使われた。

 しかし、7世紀以降にセム系の一派のアラビア語がイスラム大拡大の中で中東と北アフリカの殆どを飲み込んだことで他のセム系は少数になり、アラビア語はその後の歴史の中で増えていき今では4億の話者を持つ。

 しかし、東アフリカに渡った南セムのアムハラ語などは今でも多く、また、古代に話されていたヘブライ語も宗教言語として存続していたことで復活できた。

 クシ語派は東アフリカの土着系統で前7~8千年頃に祖語があり古代の記録にもMedjayやBlemmyesとして残り、今はソマリア語とオロモ語が特に大きい。

 ベルベル語派はかつて北西アフリカで広く話されたが中世のイスラム化でアラビア語に置き換えられ現在では一部の家庭内や地方で話されていて、分岐したのは前8千〜前2.7千年頃のカプサ文化と古く、ナイルのヌビア語のベルベル起源語から古くヌビアのC-Group Cultureもベルベルだったらしく、また、現存するベルベル内部での違いは少ないのだがこれは一部系統のみ生き残ったためのようだ。

 チャド語派はアフリカのサヘルで話される系統で小系統が多く残るスーダンが起源で、遺伝子はなぜか西洋に多いR1bが多数を占めており、ハウサ語という言葉はソンガイ帝国滅亡後の中世後半にサハラ交易を担い現在1億近くの話者を抱える共通語となっているがそれ以外は少ない。

 オモ語派はエチオピア南西部という局地で話される小さいグループで語族内でも特殊な特徴で、多い遺伝子もE1b1a2という、そこ以外ではない系統である。

 エジプト語派は前30世紀頃からあった古代エジプト王国で話されていた言葉で、一時期は大繁栄し古代・中世でもコプト語として残っていたが、意今では滅亡しておりエジプトではアラビア語が話される。


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