[解説付]松任谷由実の名曲ランキング16[邦楽史]
"ユーミン"の愛称で知られる松任谷由実(Yumi Matsutōya)は現在から半世紀以上遡る1971年に17歳ながら作曲家、荒井由美(Yumi Arai)としてデビューした人物で、作曲家としての本格的な活動を目指す一方で他人の勧めでシンガーソングライターとしても活動を開始、作曲家として『いちご白書』をもう一度をヒットさせ、歌手としてもあの日にかえりたいをヒットさせるなどしてブレイクを果たした。
その後、姓が松任谷となった後の80年代前半にブームが再来、90年代までミリオンセラーアルバムを8作連続で発売、当時のアルバムの史上最高売上を更新し、90年代にはシングルでもミリオンヒットを複数出し、さらに作曲家として呉田軽穂(Karuho Kureda)の名義で作詞家の松本隆(Takashi Matsumoto)とタッグを組んで大人気アイドル松田聖子(Seiko Matsuda)の裏方などとして活躍した。
1位 ルージュの伝言 (1975年2月) 80ポイント+人気増加ポイント+超大人気持続ポイント
初期の荒井由実の時代のシングルで、曲自体は浮気した恋人の母親に報告に行くという内容で、発表当時はオリコンランク外で7万枚を売り上げた程度となっており、46万枚を売り上げたアルバムである「COBALT HOUR」に収録されたがやはり他のヒット曲に比べると知名度は高くなかった。
しかし、80年代前半の松任谷氏の自伝のタイトルに使われるなどし、80年代後半には宮崎駿監督の世界的に著名なジブリ映画「魔女の宅急便」の主題歌に用いられたことで爆発的に人気を獲得、そのため世間では"ジブリソング"の代表格として認知されることとなった。
現在ではストリーミングが5000万回を突破、YouTubeでは公式の動画が1900万回と300万回、high_note Music Loungeの動画が1000万回、その他併せて5000万回ほど再生されている。
購入:7万 再生:1億回以上
2位 やさしさに包まれたなら (1974年4月) 75ポイント+人気増加ポイント+超大人気持続ポイント
この楽曲もルージュの伝言と同様に発売当初一歳注目されずチャートインもしなかった最初期の作品で28万枚を売り上げたアルバム「MISSLIM」と58万枚を売り上げた「YUMING BRAND」に収録されており、元々は不二家のCMソングとして制作された楽曲であったようである。
こちらもルージュの伝言と同様に1989年にジブリ映画「魔女の宅急便」に用いられたことで知名度を大きく上げ、その後、現在まで数多のCMなどに用いられており、ダウンロードが解禁されるとシングルトラックが25万以上、着うたフルが10万以上を売り上げた。
YouTubeでは公式の複数の動画が合計で800万回程度、high_note Music Loungeのカバーが2600万回、miwaと絢香のカバーがそれぞれ500万回程度、その他合計で5000万回程度再生されている。
売上:35万以上 再生:5000万回
3位 春よ来い (1994年10月) 170ポイント+大人気持続ポイント
朝ドラ「春よ、来い」の主題歌として制作された楽曲で、国語の教科書に掲載されるなど文学作品に近い歌詞を持っていて、音楽の教科書にも掲載されているものもあり、チャート上では週間首位を獲得して22週にわたってチャートイン、116万枚を売り上げる大ヒットを記録した。
東日本大震災の際にはその応援歌的な楽曲として再び注目され、現在、YouTubeではMVが3500万回、high_note Music Loungeのカバーが1800万回、その他、数多くのカバーバージョンが数百万単位でそれぞれ再生されており、合計は7000万回程度は再生されていると思われる。
購入:116万 再生:7000万回
4位 真夏の夜の夢 (1993年7月) 160ポイント+大人気持続ポイント
金ドラ「誰にも言えない」の主題歌として制作された楽曲で、情熱的な大人の恋を題材としており、自身で初めてオリコン首位を獲得すると同時に最初のミリオンヒットを記録、2週連続オリコン首位、143万枚を売り上げる松任谷由実の中で最大の商業的ヒット曲となり、YouTubeではMVが2400万回程度再生され、その他合計では3000万回再生程度と思われる。
購入:143万 再生:3000万回
5位 ひこうき雲 (1973年11月) 65ポイント+人気増加ポイント+大人気持続ポイント
全く売れなかった2ndシングルのB面楽曲で小学生時代の同級生の死に対して作られた楽曲で、本来は数多くのヒット曲を歌った歌姫雪村いづみへの提供曲として作成していた楽曲であったが、これができなくなり結果、本人歌唱で発売されて発表されることとなった。
2013年のジブリ映画「風立ちぬ」に主題歌として用いられたことで大きな知名度を獲得、ダウンロードではPC配信で25万以上を売り上げたとされ、YouTubeでは公式チャンネルのものが600万と700万、high_note Musicでは2900万、はいだしょうこのカバーが700万回、トレイラー映像が500万回、その他合計では6000万回程度再生されている。
購入:25万以上 再生:6000万回
6位 まちぶせ (1976年6月) 115ポイント+大人気持続ポイント
三木聖子というマイナーな歌手への提供曲として作成され、当時は特にヒットもしていなかったが、1981年に石川ひとみという歌手によってカバーされ40万枚を売り上げたことで知名度が高まり、1996年にはレゲエ風アレンジで本人が歌唱、37万枚を売り上げ、合計では80万枚程度の売り上げとなった。
現在でもYouTubeで石川ひとみの非公式動画が1400万、500万、300万、200万など合計で3000万回、JUJUのカバーが300万回、ユーミンのバージョンが800万回、その他、合計で5000万回程度再生されているなど人気が高い。
購入:80万 再生:5000万回
7位 卒業写真 (1975年6月) 人気持続ポイント+人気増加ポイント
コーラスグループ ハイ・ファイ・セットへの提供曲で、バラード的な曲調であり歌詞の内容は学生時代を懐かしむようなものでありながら、日本で最も著名な卒業ソングの一つとなっており、セルフカバーはあくまで「あの日にかえりたい」のB面やアルバムへの収録でシングル化されておらず、大ヒット曲と言えるほどの売上はおそらく無いが、YouTubeではMVが1200万回程度再生されている。
8位 リフレインが叫んでいる (1988年11月) 人気持続ポイント+人気増加ポイント
80年代に158万枚を売り上げた大ヒットアルバム「Delight Slight Light KISS」の収録曲の一つでプロモーションの一環でシングル化されているが正式にリカットされて発売されたことはないにも関わらず、ラジオの有線チャートで首位を獲得するなどしたことでよく聞かれ、ファン以外の一般層にもよく知れている楽曲となりユーミンの代表曲の一つとなっていて、YouTubeではMVが1300万回、ライブが300万回、その他合計で2000万回再生程度となっている。
9位 恋人がサンタクロース (1980年12月) 人気持続ポイント+人気増加ポイント
30万枚程度売り上げたアルバム「SURF&SNOW」の収録曲の一つで当初は知名度は無かったが、松田聖子によってカバーされたことで人気が上昇、87年には「私をスキーに連れてって」という映画の挿入歌として使われたことでさらに広まった。
ベストアルバムへの収録曲投票で4位となるなどユーミンを代表する楽曲、もといback numberの曲、山下達郎の曲、B'zの曲、稲垣潤一の曲などと並んで邦楽クリスマスソングの代表曲となっていて、YouTubeでは非公式動画が1100万回、Flowerのカバーが700万回、合計で2000万回再生程度となっている。
10位 Hello, my friend (1994年7月) 140ポイント+大人気持続ポイント
月9ドラマ「君といた夏」の主題歌として用いられた楽曲で、曲自体は友人で世界的大スターであったF1選手セナの死に対するものであり、チャート上では合計で2週に亘ってオリコン首位を獲得、年間トップ10にもランクインし、136万枚を売り上げる大ヒットを記録、MVは1000万回以上再生されているなど現在でもある程度の人気を持っている。
購入:136万
11位 『いちご白書』をもう一度 (1975年8月) 75ポイント+人気持続ポイント
フォークグループ バンバンへの提供曲で学園紛争を描いたノンフィクション映画「いちご白書」や当時発生していた学生運動を元にしたものであり、発売当初はオリコン78位であったが順位を急速に上げて12週目以降、6週もの間首位を維持して75万枚を売り上げる大ヒットを記録した。
現在でもYouTubeで非公式動画が300万、700万など、松山千春カバーが400万、その他多くの動画が100万程度再生され、2000万回再生はされていると思われ、人気が持続しているといえる。
売上:75万
12位 あの日にかえりたい (1975年10月) 65ポイント+人気持続ポイント
ルージュの伝言の次という初期の作品でオリコン週間一位、年度ランキングで10位、レコード売上65万枚というヒットを記録し、ユーミンの名を最初に一般に広めた作品となっており、YouTubeでは本人歌唱が800万回、ボサノバアレンジが1000万回など、合計では2000万回程度再生されているなど現在でも人気がある程度ある。
購入:65万
13位 守ってあげたい (1981年6月) 70ポイント+人気持続ポイント
映画「ねらわれた学園」の主題歌として制作され、オリコンチャートとベストテンの双方で週間2位、ザ・トップテンで3位を記録し、オリコンチャートに29週に亘ってランクインして70万枚を売り上げる年間10位のヒットとなった楽曲で、公式の映像が500万回、high_note Musicで700万回、その他合計で2000万回程度再生されているなど現在でもある程度の人気を持つ。
購入:70万
14位 中央フリーウェイ (1976年11月) 人気増加ポイント+人気持続ポイント
70年代当時では大ヒットとなる34万枚を売り上げたアルバム「14番目の月」の収録曲で、実際の車から見た当時の東京都の風景が歌われており、大ヒットジブリ映画「魔女の宅急便」の主題歌候補であったが日本の地名が入っていることから「ルージュの伝言」が採用され、結果、そちらがユーミンで最も人気の曲となっているわけだが、それでも人気は高く代表曲の一つとなっている。
15位 翳りゆく部屋 (1976年3月) 30ポイント+人気持続ポイント
かつて中学生時代に制作された楽曲の歌詞や曲を入れ替えた結果、完成された楽曲でタイアップなどは特に無く、最高順位はオリコン10位、22週のチャートインとなり26万枚を売り上げる中ヒット程度となったが現在まである程度の人気を保っており、YouTubeでは特に公式からMVやライブが上がったことはない。
購入:26万
16位 DESTINY (1979年12月) 人気増加ポイント+人気持続ポイント
アルバム「悲しいほどお天気」の収録曲の一つであったが80年代後半から90年代前半まで長く放送されたドラマ「季節はずれの海岸物語」の主題歌として用いられたことで知名度と人気を獲得、1998年のベストアルバムへの収録曲の投票ではなんと上記の人気曲たちを差し置いて首位となっている。