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世界トップのコーチたちも勧める「疲労管理」とは何か

筋肥大とは、常に自身の向上を目指すものです。
そして最速での成長を目指すならば、無駄なことはできるだけ省く必要があります。


この「無駄」をできる限り排除し、自身のポテンシャルを最大限に高めるために必要なのが、今回の「疲労管理」という考え方です。

世界のトップコーチにも採択されているこの方法は、最近AthleteBody.jp様と鈴木雅さんのコラボ企画でも取り上げられることとなり、徐々に日本のフィットネス業界にも浸透しつつあります(参照はこちらから)。


では、疲労管理とは何か。

よくSNSで言われている疲労管理に対するイメージでは

「追い込むなとか言われるんでしょ?」
「なんか、ぬるいトレーニングさせられそう」
「そもそもよくわからない…」

こんな声が見受けられるようです。


これのイメージと実際の疲労管理は、全く異なります。


疲労管理とは簡単に言えば、「筋肉に成長のために適切な刺激を与えつつ、過負荷にならないよう調整する」これに尽きます。

むしろ過負荷(オーバーワーク)にならない範囲であれば、狂ったように筋肉を追い込まなければなりません。


例えば、
・各部位のトレーニングを数日おきにする
・数日連続でトレーニングした後はしっかり休む
・睡眠時間や栄養をしっかり取る
・重量を伸ばすために種目数を絞る
・メインセットの前に体力を使い果たさないようにする
・オーバーワークを避けるために頻繁に潰れないようにする

これらのことも疲労管理の一部と言えるでしょう。


「トレーニングはやればやるだけ筋肉がつく!」なんてことはあり得ません。

もしそうだとしたら、「世界一のボディビルダーは、世界で一番長時間のトレーニングで追い込んでいる」などというあり得ない話になってしまいます。


そもそも、筋肥大に寄与する挙上重量やレップ数(パフォーマンス)や体力向上は、段階的にしか生じません。極端な例ですが、関取に憧れる子供が横綱と同じトレーニングをしても、早々に身体を壊すだけです。

「現在の体力をギリギリまで使ってトレーニングをして、その後はしっかり回復させ、次回のトレーニングの時には前回よりもパフォーマンスも体力も上がっている状態にする」

これが漸進性過負荷の原則に則るために必要であり、不可欠な考え方であり、疲労管理そのものです。


パフォーマンス(赤)=フィットネス(青)‐疲労(緑)のグラフ


例えば、以下のようなトレーニングに対して、違和感を覚える人は多いのではないでしょうか。
・「早く成長させたいので、毎日同じ部位を2時間トレーニングします」
・「毎日スクワットを10回100セットやってます」
・「寝る時間も惜しんで腕立て伏せしています」
・「ウォームアップから全力で、体力を使い果たすくらい追い込みます」
・「一日6時間はトレーニングに費やします」

このような例に対する違和感こそが、「疲労管理」の感覚です。


疲労管理の程度や、やるべき内容は、トレーニングの目的や生活習慣、身体の発達段階によっても変わります。

以下のグラフのように、トレーニングの目的が「重量を伸ばしたいのか」それとも「ボディメイクをしたいのか」によってもやるべきトレーニングの最適解は異なっていきます。


ピリオダイゼーションにおけるトレーニングのバリエーション


これもまた、一つの疲労管理の形です。


熱心なトレーニーが、「えーと、高重量もやって、パンプもやって、コンパウンドもアイソレートもTUTも…」と、あれもこれも全部乗せのようなトレーニングをしても、身体的に無理があります。
仮にできたとしても、数日のうちにオーバーワークになってしまうことでしょう。

そんなことをしていたら、筋肉をつけるためにかなり遠回りになってしまいます。それでは周りのライバルたちに勝てません。

かつての嶋田慶太選手が130kgでスクワットしていたときに、どうしても腰の疲労が抜けずにトレーニングが難航し、思い切って60kgで効かせるスクワットに変えたのは有名な話です(https://www.fitnesslove.net/contestinfo/23639/3/)。


自分のキャパシティを正確に見極め、オーバーワークぎりぎりを攻めて、最速で身体を変えていくこと、ここに疲労管理の大きな意味があります。

逆に言えば、キャパシティを超えない範囲であれば、なんぼでも追い込む必要があるでしょう。


最速で身体を変えるには、毎回のトレーニングで「テーマ」や「目的」を明確に決める必要があります。
その目的を達成するためのツールが「疲労管理」です。

現状のトレーニングが伸び悩んでいたり、もっとアップデートさせたい方はぜひこの疲労管理を取り入れてみましょう。

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