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バエる写真ばかり撮っている自称写真家はクソか?

ども、其田です(@haletoke)。本質的な写真を撮る人は、バエる写真ばっかり撮って「自称写真家」を名乗る人に対してイライラすることってあると思うんですよね。

・そんなの写真じゃない
・写真家を名乗るべきでない
・それって本質じゃない
・ジャンクフードみたいで胸糞悪い
・そのくせいいねがたくさんついたりフォロワーがたくさんいて羨ましい

気持ちはとてもわかります。ミーハーでバエる写真家ばっかり撮っている人が「写真家」を名乗っているのを見ていると、それをナリワイにしたり、命かけて食費や生活費削って写真撮ってる人としてはイラッとする人多いんじゃないかなぁと。

きょうは「たしかにそれは”写真家”としては正しいかもしれないけど、マーケター・経営者としてはミスってるのでは?」というお話を解説していきます。

00 感想

みなさんいつもありがとうございますー:)感想ツイはリプしにいきます!

01 「ひたむきに高品質なものだけをつくっていれば売れる」と信じて絶滅していった職人たちと姿が重なる

其田はカメラマン・通訳案内士という職業柄、さまざまな職人さんたちのお話を聞く機会があるのですが

80歳のあの職人さんが最後の職人だから死んだらこの産業はなくなる
給料が低いし、休日も少ないから若手職人が育たない
・せっかくいいものを作っても安価な海外製品に負けて高単価で売れない

みたいなのめちゃめちゃあるんですよ。品質としてはとてもすばらしいし、こだわりも強い人が少なくないんですが、マーケティングや経営ができないので滅んでいく、みたいな姿と本質を求めて写真を職人としてナリワイにしている人の姿が重なってしまいとても悲しくなってしまいます(もちろん新しいビジネスモデルで頑張っている、すばらしい職人さんもたくさんいて、そういう人を応援する仕事を其田はしています)。

02 複数の流通源を用意し、収入源を分散化させ、持続可能な形で事業を継続していくという視点が欠如しているのではないか

例えば高級料理店の料理人がマクドナルドや吉野家の牛丼をディスるかというとそんなことないじゃないですか。「高級料理店はしつらえや接客含めておもてなしをして、高単価で少数の人に料理や想い出を提供するというのがバリュー」ですし、「ファストフードは手軽に簡単にリーズナブルに料理を提供するというのがバリュー」なんですよ。

目的やジャンルが異なっているだけで、なにか料理を作ってお客に提供しているという根源的なフローは一緒。そもそもの目的が違うのに対して難癖つけたがるのは、マーケットや経営がわかっていない人が言うことであって、意味がないわけですね(ゲームで言うとガチ勢(極めタイプ)とエンジョイ勢(楽しみたいタイプ)の違いに似ているかもです)。

加えて単一店舗しか持たず、その店の売上が減少してしまった場合、他に収益源がなければあっというまに詰んでしまいます。事実、新型コロナの影響で複数の有名店が閉店しています。

新型コロナウイルスの感染拡大により、大打撃を受けている飲食業界では廃業が相次いでいる。

東京・銀座の歌舞伎座前にある創業152年の弁当店「木挽町辨松(こびきちょうべんまつ)」は20日に店をたたんだ。歌舞伎座での公演が中止になり、弁当店の客も激減。店主は昨夏から後継者と譲渡の交渉を進めていたが、コロナで収益が悪化し破談になった。

飲食業界では有名店の廃業も止まらず、東京・吉祥寺にある一軒家のレストラン「芙葉亭」は、ホームページ上で5月に閉店することを発表。同窓会やパーティーの場として利用される機会が多く、感染拡大で予約キャンセルが続いていた。井の頭公園に面した店の経費(人件費、食材費など)は毎月800万円だったという。

政府からの給付金、東京都の休業協力金などの制度もあるが、家賃などの支払いができなくなり、廃業に追い込まれる飲食店は後を絶たない。

Yahooニュース2020年4月21日

【参考】「潰したくない素敵な人やお店にお金を落とそう」っていうけどそもそもビジネスモデルが間違ってるよね?という火の玉ストレートな指摘を受けて死にそうな話

03 数字に向き合わずにやりたいことをやってもうまく行かないという真理にはやく気づいたほうがいい

写真について言うと、人生80年あるので、フォロワー数や売上などの数字を持ってから玄人向けの写真を撮っても遅くないと思うんですよね。というかそっちのほうが選択肢が広がるし、長期的にみたら賢い選択なのでは?とも思ったり。

例えばSNSを育てていくにあたっては「共感」というキーワードはとても大切になってくるんですよ。ただ、玄人向けの写真はどうしても抽象度が高くて理解するのに時間がかかったり、そもそも捉え方を読み手に委ねるものが少なくないので、共感して誰かに教えたいという欲求が生まれづらかったりします。

一方バエる写真は「わかりやす・きれい・楽しい」などプラスの感情が動きやすいので誰かに教えたくなって拡散されやすいですし、そこにクリエイターの人間味がのればその分フォロワーも伸びやすいんですよね。で、仕事や売上につながる可能性も高まる。

なので、もしSNSから仕事を得ようと考えているのであれば、変なプライドに凝り固まるのでわなく、このあたりの感情をうごかせるような写真や言葉を添えて行く必要があるわけです。

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少なくとも其田が見てきた中で「リーチ数・エンゲージメント数・プロフィールクリック率・フォロー率・問い合わせ率・成約率・単価・利益率・リピート率」このあたりの数字からいろんな理由をつけて逃げて向き合わず行動していない人は、商売が伸びおらず困窮している人が多いです。逆に伸びている人は時間もお金も体力も精神力もつぎ込んで一生懸命やってます。あとは運や流行りやタイミングも関わってくる感じですね。
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例えばnoteのフォロワー数をあげていく方法に関してはこちらの記事で解説しているので読んでみてください:)

Twitterをバズらせてフォロワーを増やしつつマネタイズしていく方法についてもこちらの記事で解説しました。

【関連】Twitterをバズらせてフォロワーを増やしつつマネタイズする方法

04 もちろん職人として極めたいならその道もあり

とはいえ、リアルでつながりがたくさんあって、そのつながりで仕事がバンバン来て困っていないという人は無理してSNSやらなくてもOKです。口コミが口コミを読んで仕事につながるのが最高なので、リアルが充実しているのであれば無理してSNSをしないほうがむしろ人生幸福です(笑)。

貧乏でも自分のやりたいことだけやる!という人もそれでOKです。自分が納得感を持って人生を歩み、死ぬ間際に「いい人生だったなー」と振り返られるのであればそれが最高。人生でいくら稼いだとか、友達が何人できたとか、結婚できたとか、子供がいるいないとか関係ないかと。

05 マーケターや経営者として次の世代に進化したいなら柔軟性を持ったほうがいい

一方で、マーケターや経営者として、次の世代に進化したいのであれば、柔軟性を持ってSNSやネットの世界を攻略していくのは必要でしょう。世界はオンラインとオフラインを同期しながらシームレスに動いています。新型コロナの影響でオフラインで三密な状況でしかできない商売は残念ながら淘汰されていくでしょうし、オンラインに移行できる商売や、事業を複数分散していた人は生き残るはずです。

其田はこちらのタイプなので、リアルな商売をしつつオンラインとオフラインをいったり来たりしながら事業分散していきます。詳しい解説は「2020年に必要な○○力とは?」の追記部分で解説していますので読んでみてください。

追記:よくある勘違い違い事例(Twitterの場合)

Twitterという世界で具体的に解説していきますね。まず、Twitterという世界はものすごく特殊なんですよ。もっとも大切なのはTwitterという世界が

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玉石混交でクソリプや炎上という非日常が日常的に生じる人間の負の欲求がうごめくカオスな世界
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であることなんですよね。なので、Twitterをやっている人の目的も様々。写真界隈でよくあるすれ違い事例を書くと

・認知力や集客力を高めるためにTwitterをやっている人
(マーケター・経営者思考)
・本質的な自分の作品を載せて世間から認められたい人
(職人思考)

の間でいざこざが起こる問題ですね。これは多くの場合は「職人思考な人が、マーケター・経営者思考の人の言葉や作品をディスることで生じます」。写真界隈で言えば、他人の写真にケチをつけたり、モデルさんに文句を言ったり、タイトルにも書いた「バエル写真ばっかり載せていて、あの人は写真がわかっていない」みたいな話。ミーハーな作品を載せて人気になっている人へ嫉妬したり、妬んだりする気持ちはわかりますが「世界は多様性でできているので、自分のやっていることが正解で、世界はそれに合わせるべき」みたいな考え方をしているのはズレていて、そういう考え方の人はストレスが溜まるので幸福度がさがります。

06 足並みをそろえたがる教育の弊害(問いも答えも自分で作る時代)

これは日本の教育の影響もあるのかもしれません。少なくとも其田がうけてきた教育は「問いに対する1つの正しい答えがあり、そこにいかに正確に早くたどり着くか?」を反芻する教育でした。ただリアルワールドはまったく逆で「問いすらも自分で立て、選んだ選択肢がはたしてあっているかわからないなかで、不安と葛藤を抱きしめてどうやって自分なりの最適解をつくっていくか?」なんですよ。

たしかに学校教育では1+1=2だったかもしれません。でも、リアルワールドでは1+1=2にならないこともあるし、そもそも1+1という問いってあってるの?みたいな世界なわけですね(例えば「いい大学いって、いい会社はいって、結婚して、家と車買って子供をもうけて、が本当によいことなのか?それより会社員とフリーランスで複数ナリワイをつくって、収入源多角化して好きなことやりつつ、車も家もシェアして生きたほうが幸せでは?」みたいな話)。

07 Twitterは娯楽や思考をする場であり正解を求める場ではない

さらに具体例に踏み込みましょう。これは個人的な所感なので賛否両論あるかもですが「Twitterはそもそも娯楽や思考(試行)あるいは情報収集をする場所なので、そもそも正解を求める場所ではない」んですよね。例えばアンケート機能があるじゃないですか。先日カメラマンのみなさんに給付金10万円なににつかう?みたいなアンケートをとったのですが、これって「定量的に有意性があるデータなの?(本当に正確で主張を述べる根拠になるの?)」というとまったくないんですよw 

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(給付金10万円はレンズに使う人が多いよう)

なぜなら

・カメラマン以外も参加している可能性がある
・結果だけみたいからとりあえず「美味しいご飯」を選択した人がいる
・N数=250とか少なすぎる
・ボディとレンズ両方買った人はどこに該当するの?

みたいなツッコミどころ満載だからww

でもね、それがTwitterなんですよ。そもそも1つの質問に対して4つの選択肢しかとれず、分岐のないアンケートなんて「フォロワーとのコミュニケーションのネタにしてね❤」くらいの意味合いしかなく、緻密な統計うんぬんの機能を期待して実装されてるわけじゃないんです。だからこそ、ツッコミが入り、コミュニケーションが加速化され、関係性が紡がれるわけです(そしてそれが楽しい)。例えば上のアンケートについて言えば、Ryotaさんとこんなやりとりがあり、仲良くなりました。こういう偶然の出会いがまた嬉しいんですよね。

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素敵な写真をとるRyotaさんのTwitterはこちら

Twitterのアンケート機能は、エンターテインメントでありユーモアであり、欠陥を潜ませることでツッコミを待ち、ツッコミを拾ってコミュニケーションする機能がデザインをされた「遊びを生み出す装置」なんですよ。

たかだか140文字、選択肢4つのアンケート機能で優位性のある定量的データなんて取れるわけないんです。ユーモアを楽しみ、拡散して混ざり合うための仕組みなんですね。

08 まとめ

ということで、視座が違えば考えも違うし、あたかも存在する唯一解に人を誘導するような発言やスタンスはミスってるのでは?というお話でした:)いろんな見解もあるので「こんな考え方もあるのねー」的に感じていただければ幸いです!

それではきょうはこのへんで、またおあいしましょう:)

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