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第21回 起業する理由に加えたいこと

「あなたが起業したい(する)理由やきっかけはなんですか?」
自分に問いかけて、できる限り本心を心の中に浮かべてみて下さい。
お金がもっと欲しいから?
会社に縛られず自由になりたいから?
夢?
人と違うことがしたいから?
モテたいから?
楽しそうだから?
仕方なしに?
どうでしょう。

上記の理由については「第18回 経営者、個人事業主になるということ」に近い内容なのですが、今回はもう少し踏み込んで筆者なりのビジネスに必要な考え方について簡単に書きたいと思います。

起業の理由。それには人それぞれあって、その全てが正解です。
しかしそれはあくまで起業する側の都合や思いであって、それだけではお客様はあなたにお金は払ってくれません。
なぜならあなたと同じようにお客様にも希望や叶えたいことがあるからです。
可愛くなりたい。
美味しいものが食べたい。
不便を解消したい。
生活や仕事に必要だから。
今ある商品より、もっと気に入ったものを手に入れたい。
などなどたくさんあります。

私自身も消費者なので、気に入ったものを購入したり、必要だと思うサービスにお金を払っています。
私が起業したのは将来への不安からの転職、そしてそこで突然訪れた契約解除の危機からなので、どちらかというと「仕方なしに」の方が近かった気がします。
その経緯についてはこのブログのはじめの方を見ていただけたらと思うのですが、 そんな自分が起業をしようと思ったときに考えたのは、
「生きていかなければならない」→「自分に今ある能力は写真を撮ることだけ」→「周りにある写真を撮る仕事は何だ?写真館とか?」→「自分がお客様なら、どんな写真館に行きたいだろうか?」
という問いです。

当時、自分の周りにあった写真館は老舗のところか、大手の○リスさんのようなところばかり。自分がカメラマンでなかったとして、家族とそこに撮影しに行くか?答えは「No」でした。「だったら、そう感じている人が周りにもいるかもしれない」これが最終的に起業を決意できた理由です。
『市場に求められているもの、足りていないものはないだろうか?』
自分を一消費者として捉えて必要な商品やサービスを市場に提供していく。または、
『市場にこれがあったら、みんな喜んでくれるに違いない』
まだ見ぬ価値を世の中に広めていく。それが起業に必要な視点だと考えています。

誰かを幸せにする。
誰かが求めているものを提供する。
誰も気がついていない価値を提供したい。

起業するきっかけや目的は自分の思いや都合でもちろん構わないと思います。
そこに上記のような視点や他人への思いが加わえることで、あなたの起業が世の中で商品サービスに生まれ変わっていくのだと思います。

(あとがき)
「自分がいいと思っているんだから、絶対にいい」
そう考えているクリエイターの方がたまにいらっしゃるのですが、本気で羨ましいと思います。私はサラリーマンの家庭に生まれ「将来はいい高校いい大学に入って、安定した会社に入りなさい」と言われ幼少期を過ごしてきた凡人です。なので、本文の中で触れた
「誰も気がついていない価値を提供する」
という分野については基本的に苦手意識を持っています。
しかし凡人がゆえたくさん頭で考えてきましたし、一般的な視点で物事を見ることもできるので 「誰かが求めているものを提供しハッピーにする」ことは考えることができるようになりました。
まず自分を知ること。その後に相手を知ること。
この順番が楽しく仕事をする上でも商品やサービスを考える上でもとても大切な要素だと私は考えています。それからそこにコミュニケーションを加えてようやく商いが動いていきます。
このブログでもだんだんとその分野の話をしていけたらと思っています。

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笠原徹|地方でクリエイティブな仕事をする|ハレノヒ
株式会社ハレノヒ代表取締役/2015年、築100年の古民家をリノベーションした写真館をオープン。地方写真館の再定義を行うことによって人とまちが豊かになる仕組みをつくろうとしています。その他セミナー講師や各種メディアにも出ています。