見出し画像

第22回 自分を知る大切さ

「事業を始めるとき、何から始めたらいいでしょうか?」と言われれば、

私は「自分を知ることから始めるのはどうでしょう。」
と答えると思います。


以前、SWOT分析というものを紹介しましたが、その中の強み(Strength)や弱み(Weakness)を分析することは自分を知る方法の一つです。


ただ、今回言いたいのは、そんなビジネスの市場環境においての強みや弱みではなく、もっとあなた自身のパーソナルな部分のことです。



そのパーソナルな部分とはズバリ

「気持ちいい!」という『快感』と
「本当に嫌だ!」という『苦痛
の二つを知るということです。



この快感と苦痛というものは、人が行動することの主な原動力だと私は思っています。


例えば、快感を知ることはこんな意味があります。
第13回に書いた事業をおこすにあたって設定する理念やミッションなどが、
仮に自分の快感に則していないものであったとしたら、その理念に向かってずっと行動できるとは限りません。
だから当たり障りのない、もしくは耳障りの良いだけで理念や目標を作るのではなく、自分の「快感」と向き合って作られた理念が良いと思います。


つまり「なぜその理念やミッションにしたのですか?」と聞かれたら「快感だから」と答ええられるものが良いということ。


自分の場合なら
「写真館にできることで、世の中を幸せにしていく」という理念は
「自分(達)がやったことで周りが幸せになっていったら、とにかく気持ちがいいから」という理由で作られたと言えるでしょう。

「嬉しい」「楽しい」「誇らしい」「優越感」「達成感」「安心」など、それぞれの気持ちよさに向かっていくパワーは、とても大きな原動力になるのでどんどん向き合っていきましょう。





一方の「苦痛」を知ることについては二つの大きな意味を持っています。

まず一つ目はそもそも苦痛にならないように、努力をするということ。
恋愛でいうと、失恋という苦痛をしたくなければ身なりを整えたり、デートコースを一生懸命考えたりってやつですね。

一方で、失恋という苦痛を受けたくないために、

「逃げる」

「避ける」
みたいな行動をとる人もいるでしょう。

しかし事業を行なっていく上で、「逃げる」「避ける」は結構なリスクなんです。
例えば、自分がやっていたラグビーで例えると、とにかく大きな相手にタックルに行くというのは恐怖と肉体的痛みという苦痛が伴います。

だけどタックルせずに逃げたり、避けたりすれば、当然相手に抜かれたり吹っ飛ばされたりして、失点につながる可能性が高くなる......。


これが事業だったら......。


事業を行なっていると、決して避けられない状況が必ず起きてきます。

大きな課題に立ち向かわなければ損害が出たり、致命的なダメージを負うこともあるのです。

もし苦痛で経営者の心が折れたら、そこで会社は終了です。
(そういえば投資家は事業の可能性も見るが、経営者が折れない心を持っているかも投資するかどうかの判断にすると、先日ある動画でみました)



ではどうすれば良いのか?

そこで二つ目の重要な意味として、ポジティブな方向に向かう苦痛が自分にあるのかを知っておくことが大切だと私は考えます。



例えば先程のラグビーのケースでいえば、

自分はタックルの恐怖や痛みより、そこに立ち向かえなかった時に生まれる、チームメイトからの不信感や、その恐怖に勝てなかった自分自身への失望感の方が、タックル自体の痛みなどの苦痛よりもっと強い苦痛だったのです。


自分が望む方向に進む苦痛が、望まない方向に向かう苦痛を凌駕するようにマネジメントする。

仕事の場合、もし「お客さんの信頼を失う」ことが自分の一番の苦痛だったとしたら、それよりは小さな苦痛...例えば「大変なスケジュールだけど求められた納期を守る」という苦痛は乗り越えることができるように自分をコントロールするのです。


そうやって、ポジティブな方向に向かう苦痛を用いて、ネガティブな方向に向かう苦痛を乗り越え続けることができれば、そこで生まれる成果がどんどん自信という快感に変わっていく。
これが最高の成功パターンだと思っています。


では、その快感と苦痛を知るための自分のやり方を最後に書いておきます。

まず

・嬉しかったこと悲しかったことは何か?
・好きなことや嫌いなことは何か?
・目標は何か?

など、あらゆる問いから自分自身の感情を深く掘り下げていきます。

なぜ、嬉しかったのか?

なぜ、悲しかったのか?

なぜ、それが好きなのか?

なぜ、好きになったのか?

なぜ、嫌いなのか?

なぜ、嫌いになったのか?

なぜ、それを目標にするのか?

みたいな感じです。

そして
「本当に欲しいものは何?」
「なぜ、それが欲しいの?」

というところまで、「なぜ?」
そして
「本当にそうなの?」
を繰り返し、とことん自分に問い続け、考えてください。



そこにある答えは、人によってはもしかすると
「他人に言ったら軽蔑されるかも……」
みたいなことかもしれません。



でも、それでいいのです。
それを普通に受け入れ、胸を張って
「なるほどねー。自分最高!。俺生きてるわ〜!」
って言ってみてください。(←これ大事。笑)

(※この時に大切なのは、自分に対し問いは行っても、決して自分を責めないこと。
むしろ「自分を認める」ことを絶対ルールにして行ってくださいね)



その、自分自身の快感や苦痛の情報をもとに


「どんな状況ならば頑張れるか?戦えるか?」

「どんな状況だとテンションが下がるのか?逃げるのか?」

「その復活方法は何か?予防策はあるか?」

を考え、自分の行動原理を探って行ってみてください。

自分自身を知り、自分をマネジメントすることは事業活動において大きな力になると思います。

久しぶりに書いたので取り留めのない話になっていますが、どうぞお許しを。

いいなと思ったら応援しよう!

笠原徹|地方でクリエイティブな仕事をする|ハレノヒ
株式会社ハレノヒ代表取締役/2015年、築100年の古民家をリノベーションした写真館をオープン。地方写真館の再定義を行うことによって人とまちが豊かになる仕組みをつくろうとしています。その他セミナー講師や各種メディアにも出ています。