柔軟トレ:開脚前屈ができるようになるまでに考えたこと、やったこと
こんにちは、HALです。
いつもはボルダリング初心者奮闘記を書いているnoteですが、今回は、わたしが開脚前屈(180度開脚/腹、胸までペタン/そのまま脚を後ろに回して閉じる ※ 回す時はまだちょっと浮いちゃう)ができるようになるまでに考えたこと、やったことを書こうと思います。
わたしは小さい頃から身体が硬いことがずっと、ずーーーっとコンプレックスでした。
運動能力は人より劣っていると思って生きてきたし、小学生の頃は幼馴染からバレエに誘われても「柔軟が痛いから嫌だ!😭」と拒み続けていたほど。
前屈どころか長座でも開脚でもまず座ることができませんでした。手は前に着けない、開脚角度は60度以下。柔軟性を高めたくて始めたホットヨガでも、それほど柔らかくはならなかった。
筋膜リリースを通じて機能改善を謳う整体院で、理学療法士の若き男性に「は?真面目にやってます?ヨガとかやってるわりに硬いっすね」と鼻で笑われたのは僅か2年前(初診にて。そして二度と行かなかった)。
毎日のように「柔軟性 開脚 前屈 やり方」で調べまくっていました。本も何冊か持っています。
で、そういう記事や本は大抵、「コレをやればあなたも!」と謳っているわけだけれど、『そもそもその最初の体勢が取れませんが…?』と初手で躓くものばかり。
ある時から人の記事や動画に頼ることを諦めて、独自にやってきました。そのへんを今回は書こうと思います。
X(旧Twitter)でたまに呟いていた記録は↓こんな感じ。途中でパーソナルトレ中に内転筋断裂したのでお休み期間ありますが、およそ2年かかっています( ˊᵕˋ ;)
▼画像は左から↓→右から↓の順です。
悩んでいる時は藁をも縋る思いでした。もしかしたらこの投稿も誰かの藁くらいにはなるかもしれないので、備忘を兼ねて、わたしのコンプレックス解消物語(?)を記しておきます。
■よくある誤解
まずは、よくある誤解4選から。
柔軟は毎日やる必要がある❌
お風呂あがりが効果的だ❌
柔軟性に筋力は関係ない❌
痛いと感じるのは硬いからだ❌
簡単にどういうことか説明していきます。
1.柔軟は毎日やる必要がある❌
少なくとも、わたしは毎日ストレッチはしませんでした。正確に言うと毎日やっていた時期はあるのですが、結果には繋がりませんでした。
逆に柔軟性が飛躍的に向上した時期は、週1,2回の進捗確認はしていたものの、柔軟性を向上させる目的でのストレッチはほぼしていなかったです。
2.お風呂あがりが効果的だ❌
これに関しては、「怪我をしないように」という点では正しいと思います。でもお風呂より身体が温まり、かつストレッチポーズの多いホットヨガを10年続けても、わたしにはそれほどの変化はありませんでしたから、“効果的”と言えるのかは疑問を持っています。
(というかさ、世界を見れば日本人以外毎日風呂浸からないじゃん。でも海外にもめっちゃ柔らかい人いっぱいいるじゃん😡お風呂関係なくない?とずっと思ってました笑)
まあ、日頃から運動している人はお風呂に浸かることで使った筋肉を緩める効果はあるとは思うので…なんかこう、別に万人向けではないのではないかな、という印象。
3.柔軟性に筋力は関係ない❌
正直、わたしは長年これを見誤っていたな、と思います。関係、ありました。めちゃくちゃ。
柔らかい人は筋力の有無は関係なく柔らかいのだ、と思いこんでいた気がします。
どうしても柔らかくならないから、「才能」に逃げたかったのかもしれません。
才能というのは実際あると思うんですよ、わたしも昔は後屈だけやたらと柔らかかったですし、何もしていなくてもブリッヂなど苦痛に感じたこともなかった。
前面と背面の筋力で見れば、当時は前面より背面の筋力が有意に強かったと思います。要は「そういう動きが得意な身体の使い方をしていたから、柔軟性の高い部分の筋力は相対的に強くなった」のだと思うのです。
少し話が逸れましたが、わたしを含め、身体が硬いと言う人の半分くらいは単純に筋力不足なのでは?と思う次第です。
このへんは後で詳しく触れます。
4.痛いと感じるのは硬いからだ❌
これ、本当に真に硬い人にしか共感を得られないと思うんですが、痛みを感じる人、または痛みを感じる部位は、すでに少し柔らかい人/部位だと思っています。
昔のわたしを含め、本当に硬さレベル99の人ってそもそも「動かせない」ので、痛みは感じないんです。ただ、なんかすごく気持ちが悪い。痺れる感じで、苛々します。
一方で、身体の中で真に硬い部分“以外”は、痛みが出ます。
開脚で言うと、わたしが最初に激痛だったのは、膝小僧の内側の筋です。触れれば千切れそうなほどの激痛でした。
『痛気持ちいいところで止めて』とよく言われますが、私の柔軟生活に『痛気持ちいい』が出てくることは遂にありませんでした。
「めちゃくちゃ痛い」か「そこ、まったく動きません」のどちらかです。
話が逸れましたが、この膝の内側の痛みを手でさすってリリースしながら開脚練習をしていると、ある時から脛の外側の、筋膜がビリビリと痛むようになりました。
え、開脚だよね?なんでここ??
と思いますが、筋肉はちゃんと繋がってるんですよね。
ちなみに、筋膜が痛いから筋膜リリースかな→最初に出てきた理学療法士のせせら笑いに繋るわけですが(根に持っているw)。
ともかく笑われたあの日、わたしの身体は既に少し柔らかくなり始めていました。一番最初に痛かったところは徐々に痛みが取れてきていて、その先の真に硬い部分(=脛の外側の筋膜/おそらく真に硬いのはその先の足首)に痛みが走るようになったようでした。
身体は本当に全て繋がっているので、身体の中でも比較的硬くない部分から徐々にほぐしていくと、次々と真に硬い部分が明らかに(動かせるように)なり、どんどん痛みが出てきます。
ちょっと絶望的な話に聞こえるかもしれませんが、わたしは「痛みが出たらそこが柔らかくなるチャンス」と思っています。硬い場所に気づけないままではアプローチのチャンスさえないからです。
痛みの出る部分が筋膜(外側に近いと感じるところ)の時は、伸ばした状態でやさしくさすってあげるとだんだんほぐれてきます。痛みが内側の場合は、動かす必要があるので、後述の1.のやり方を試してみてください。
ちなみに、『痛気持ちいい』は未だによくわからない感覚です。が、開脚前屈も毎日起床からバッチリできるわけではないので、大体3-5分くらいかけて動かしてあげるとまたできるようになります。もしかしてその時の筋肉を伸ばす感覚のことを言ってるのかな?
それ、痛気持ちいいじゃなくて「痛くない、伸ばしてる」です。あんなん痛いうちに入らんわ。まじ、世の中の柔らかい人、硬い人舐めすぎ。でも、わたしも今はまだ記憶が残っていますが、できるようになるとできなかった頃のことって忘れがちなんですよね。
■何をしたか
それでは、今度は効いたこと4選を。
運動後のストレッチ⭕
バレエ(アンデオール!!)⭕
日常生活で柔軟になる動き⭕
最後の最後は目を瞑る⭕
詳細の前に、やってはいけないことを記します。
人に押してもらったり引いてもらったりするのは止めましょう。相手がプロでも経験が浅い方だと怪我をすることがありますし、体育の授業などでペアで行い、無理な力がかかって腱を断裂した人も沢山います。
道具を使うのも極力避けましょう。特に現在がちがちに硬い人は、自分の意思で動かせる(伸ばせる)ようにならないと柔軟性は高まりにくいです。道具(ベルトやタオルや段差など)に補助を受けると、柔軟性が鍛えられないばかりか、関節だけ動きすぎたりして怪我に繋がります。その時自分で動かせる範囲で行ってください。
1.運動後のストレッチ⭕
運動をしないみなさんには、ごめんなさい。でも、運動をしないみなさんのほうが、これ、効くと思いますので紹介させてください。
走れる人は全力で走ってから、筋トレしてる人は脚を追い込んでから、スポーツやってる人やヨガやピラティスをやっている人はがっつり脚を使ってから、クライマーならヨレるまでコーディネーションをしてから、何もやってない&走れない人は、頑張って階段を3階分くらい登った後にしましょう(ご自分の体力に合わせてね)。
要は、脚に疲労を感じている、乳酸溜まったわー!な時が効果的だと思います。
一方で長時間緩く活動した後(わたしは以前、毎週末6時間散歩してました)や、緩くなくとも登山など脚が浮腫む運動の後はあまり効果は感じられませんでした。短時間で追い込む系が良いと思います。
脚に疲労を感じるほど動いた時って、大抵股関節を使っていて、いわゆるダイナミックストレッチ(スポーツの前に稼働を高めたり怪我の防止のために行う激しめの準備運動/アップのこと)を行った状態に近いです。柔軟にもアップは必要なんですよね。
恐らく、いつもは動かない部分が、少し動くようになっている筈です。もし、いつもはただ痛いだけの痛みの奥に、筋肉が動いている感覚が得られたら、それは絶対に再現できるようになります。
そして毎日そんなに追い込むのは難しいと思いますので(筋トレだって部位変えますよね)、週1、2回くらいで十分です。すみませんが、毎日ガチめに運動できる体力の持ち主は想定外なので、逆に効かないかもしれません。
2.バレエ(アンデオール!!)⭕
いきなりバレエをやれ!ということではなくてですね、わたしは2年ほど前から大人バレエ入門を始めたのですが、バレエを始めてから気づいたことがあって、股関節を自力で外転させるための筋力が不足していたのです。
開脚するだけならそれほど筋力は使わないのですが、腰を立てて座ったり、前屈をする、回転させる動きのときは、思いのほか、筋力が必要になります。
ちなみにバレエのアンデオールは、外転ではなく外旋です。
股関節を外旋させる筋肉は梨状筋など股関節まわりのインナーマッスルなのですが、それらを鍛えるのはすごく、難しいんですよね。
最終的に開脚前屈を行うにあたってはこの外旋が必要不可欠ではあるのですが、そもそも外転が弱い状態だと、外旋のための筋肉を作用させづらい。
外転を行うために必要な筋肉は、中臀筋です。走れる人は、自然に強いと思います。わたしは心肺が弱くまったく走れない人間なので、あまり発達していなかったようです。また、外転から外旋に持っていくときに大臀筋も使います。
開脚前屈は、中臀筋で外転したあと、大臀筋で外旋に必要なアプローチを行い、最後はインナーマッスルで外旋することで内転筋を伸ばす、というプロセスになっています。そして前屈のときも外旋し続けることで前に倒れることが可能になるので、どこかが弱いと180度開脚をしたり、お腹や胸をつける開脚前屈はできないことになります。最後に大切になってくるのは、重力や柔軟性に任せるのではなく、自力で股関節を動かせるようになることです。
バレエの動きは、これらを総合的に鍛えられる動きになっています。アンデオールはバレエの基礎中の基礎で、すべての動きで常にアンデオール(外旋)していなければならないので、バレエを続けていたらこの動きができるようになってくる…というわけです。なお、わたしはアンデオール自体はまだ全然できていません。足首が硬いので、膝下の外旋が弱いんですよね。
ちなみに、ヨガにもこの動き(外旋)は無くはないのですが、基本スタティックなので、鍛えるには向きません。インストラクター級であれば鍛えられるのでしょうが、にわとりたまごというか、できるから鍛えられる、という側面が大きい。
立ち木のポーズとかは内転筋の押し合いでもできてしまいますし、合蹠(がっせき※座位で脚の裏を合わせるポーズ)も自力で回転させる必要がないので、股関節まわりの筋力を鍛えるには効率があまりよくありません。
バレエでなくても良いのですが、開脚前屈には最低限の機能的な筋力が必要で、躓いたときは筋トレが必要になるケースが多い、ということを知ってもらえたらと思います。
結局、1.の追い込んだ後の柔軟、が割と理に適っているのかも。
3.日常生活で柔軟になる動き⭕
股関節を含め、ハムストリングスなど上半身と繋がる筋肉が硬ければやはり柔軟性は出ません。
立位前屈も一緒にやっていくと良いと思います(ちなみに、わたしは立位前屈は手のひらを床につけるところまでは行きますが、開脚前屈では不要な腰の柔軟性が鍛えられていないので、まだ発展途上です。理想はヨガのウッターナーサナ。おでこが脛に付く前屈)。
で、これも硬い人は割としんどいと思うので、日常生活に取り入れた方法をご紹介します。
室内に落ちている軽量のゴミを立位前屈で拾うです。
床に指先が着かない場合は、膝を軽く曲げるか、足を開いた状態でやってみてください。
目的をもって前屈をすることが効果的でした。髪の毛とかとても掴みにくいのでムキー!となりますが、目標に向かって手を伸ばす、という動作だと、単純に前屈するよりもう一歩伸びるんです。また、日常なので色んな角度からアプローチできたり、一瞬だけ頑張ったり、ゴミ箱に向けて投げ入れたりすることで捻りが加わったり、と、動きが出やすい。これは今もやっています。
ただ、起き上がるときにロールアップにしないと腰を痛めかねないので、そこはご注意くださいね。
4.最後の最後は目を瞑る⭕
これはネットの記事で唯一有力だった方法です。前屈がどうしても深まらない、というタイミングで行うと良いと思います。わたしは肘が床に着いてからおでこが床に着くまで半年かかっていますが、その頃に試した方法です。※ 手が身体の前に着いていない段階の人は危険なのでやらないでね。
前屈の時、目を瞑るだけです。自分が硬いことに慣れている人は、見えてると身体を勝手にロックしてしまうのですよね。
ひと通り柔軟をしたあと、目を瞑って倒してみる。これだけなんですが、深まる感覚はありました。目を瞑っているので、普段よりもどこが動いていてどこが動いていないのかを感じることもできます。たったこれだけ!系なので目を瞑るのが怖くなければ試してみてください。
あとがき
普段あとがきなんて書かないんですけれど、この時点でまさかの5,800字を超えていて。
それでもだいぶ時間も経っているので、印象に残っている出来事を書き連ねるのが精一杯で、柔軟活動そのものは全然書ききれてないんです。やっている最中に記録しておけば良かったな、と思うのですが、いかんせん時間が掛かっているので、X(旧Twitter)にちょこちょこ書いておいたのが思い出しに役立って良かったなあ、と思います。
余談ですが、筋トレ垢やダイエット垢はたくさんあるのに、柔軟垢ってほんと見かけないんですよね。
書くことが少ないから?成功体験が重ねづらいから?筋トレやダイエットもルーティンを記録している人がいるのだし、柔軟垢があってもおかしくないと思うのですが…毎日記録写真を撮ればそれなりに見てくれる人がいるのでしょうけど。
文字文字しくて読みづらいこのnoteを最後まで読んでくれる人は1人か2人くらいかなと思いつつ、きっと自分自身が一番読み返すnoteになっただろうと思います。
ということで、6,200字を超えたところで終わりにします。ありがとうございました。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?