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【これマジでやめて】Vtuber曲動画の文字乱落と異世界&なろうアニメの舞台創作する気の無さ

※下記の拙文はすべて個人の偏見であることを先に断っておきます。

1.Vtuberの曲動画、文字動かしすぎ問題

2010年代後半、世間の情報に疎い自分は ”Vtuber” を初めて知りました。そのキャラが発表する曲動画に対して持っていたイメージはこうでした。「キャラがある以上は、創作主が創ったアイデンティティとか価値観に基づいた歌詞を歌うんかなぁ?」と勝手に期待していました。

ところが、蓋を開けてみれば既存曲のカラオケが圧倒的に多く、オリ曲をどんどん作っていくような感じではなかったです。新規な分野が隆盛を極めようとしているのに、肝心の曲が他人様のものでは創作熱が感じられなくて寂しい気がしました。

曲の特徴としては、世の中から受けている理不尽、腫れ物扱い、劣等に対して唾を吐きかけるような睥睨というか、強い言葉を使った言い返しを羅列するタイプの内容が多い印象です。それがそっくりそのまま歌詞として使われていることは良い意味で驚きでしたし、新鮮味がありました。

「でも、この歌詞ってキャラに合ってんのかな?」と冷静になって考えると、少し遠い感じがします。これが歌うVtuberに対して抱いたこれじゃない感で、徐々に興味が薄れるきっかけとなりました。キャラの作り込みも、誕生日からの上積みもしないのが今やVtuberの当たり前なわけですから、当然と言えば当然でしょう。これは ”思ってたのと違った” 点ですね。

愚痴があるとすれば、動きとエフェクトがついた歌詞の文字が入り乱れてはハケるを繰り返す一部の動画スタイルに対してです。動画クリエイターは全部分かっているからそれで構わないのでしょうが、初めて動画を見る視聴者は細切れされて動く歌詞を「短時間しか表示されんのに、これパパッと全部追っていかんとあかんの?」状態に陥ります。

授業や仕事で、文字だらけのプレゼンパワポスライドを表示されて「これ制限時間きたら次のスライド行くから読んでね」ってのを延々とやられているような感じに近いです。文字を追う目にストレスがかかるせいで、他の美味しい部分に集中できなくなるのが勿体ないと言わざるを得ません。なので、文字よりも目に負担が少ない絵を動かす配慮をする方が視聴者にとってはありがたいだろうと思うわけなんですね。

2.異世界&なろうアニメ、「異世界」を謳っている割にはどこかで見たことあるような異世界しかでてこない問題

異世界&なろうアニメが2010年代後半から騎虎の勢いで急増してきました。両者は厳密には違うそうですが「主人公超絶接待アニメ」であることに大して差はありません(超偏見)。特徴としては、異世界内で登場するキャラは大して作り込みもされず、主人公を引き立てるためにバッサバッサと使い捨てにされます。例外は主人公に華を添える取り巻きヒロインで、丁重に扱われます。

話の内容と言えば、単に悪さをしている(ことしか描かれない)悪い奴を主人公がぶっ倒す勧善懲悪もどきが多いです。主人公は懊悩も葛藤もなく、与えられた無敵の能力や最強のパワーを使って悪役を楽々と倒してめでたしめでたし。救った村町の人々やヒロイン達から持て囃されるのがほぼお決まりのパターンとなっています。

物語自体の構造の是非はここでは一旦置いて、一つ問題だと思うのは(たまにタイトルにすら入っていたりする)「異世界」を謳っている割に画一的な、どこかで見たことあるような異世界が量産されていることです。ここで言う異世界とは、RPGやナーロッパ(中世欧州風ではあるものの似て非なるファンタジー世界)をただ借りただけの舞台や世界観を指します。

舞台を一から作りあげるのはぶっちゃけ面倒くさい…… そう考える創作者はこれらを便利なフリー素材のように利用しています。そして、自分が掛け合わせたい何かとのミックスをオリジナリティ(?)とすることに注力して、インスタントの異世界&なろう作品が次々と生まれていると思われます。

その結果、異世界とは名ばかりの、別作品で見聞きしたことがあるような役職名、植生、食べ物、動力源、魔法など、舞台・世界観が酷似している作品で溢れ返っている現状があります。タイトルで異世界を臭わされると「またあの手のアニメか」とため息が出るくらいになりました。個人的に言いたいことは「異世界を謳うなら、その異世界とやらをまず自分で創作しないとダメじゃね?」です。

こういった背景があるので、自分は物語本編に直接関わってこないにもかかわらず、ひたすら創作が面倒で時間を食うオリジナルの舞台作りをわざわざ行っている作品は割と信用していいと思っています。既存品の舞台をフリー素材みたいに拝借して終わらせることなく、創作者が細部に至るまでこだわって作り込むところに情熱や責任、自信を感じるからです。それがない作品は、例え話が面白くても創作的には手抜きだと思いますよ。

「ためになるわ」と感じて頂ければサポートを頂ければ幸いです。よろしくお願いいたします。