2列エレベーター「四九四」の作成
前回のNOTEでは下端スタート型の2列エレベーター往復を行う別図を作成した。いちいち名前が長くなるので、スタートして戻ってくる段数を使って以下「九四九」と呼ぶことにする。今回は、その段目を反転した形を目指す。つまり、四段目からスタートして下端でターンし、また四段目に戻ってくる2列エレベーター往復「四九四」の作成だ。果たしてどんな形になるだろう?
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ごちゃごちゃ言いながら作ってたらできた
個人的には2行でも2列でもエレベーターは端からスタートする方が感覚的に作りやすい印象があったので、今回の「四九四」作成はかなり難航すると思っていた(思い込みは良くない)。あーでもないこーでもないと試行錯誤していると、ターンの構築になんとか成功した。この瞬間、下掲の2パターンのエレベーターが生まれた。まずは左側、回転ギミック入りの方から見てみることにしよう。
1.「四九四」(回転ギミック)
玉方は逃げ場所がほぼ1ヶ所なので慣れた人なら1分もかからないだろう。答えはすぐ下にある。
【手順】
▲7四飛 ▽5五玉 ▲4五飛 ▽6六玉
▲7六飛 ▽5七玉 ▲4七飛 ▽6八玉
▲6七飛 ▽5九玉 ▲6九飛 ▽4八玉
▲4九飛 ▽5七玉 ▲6九桂 ▽6七玉
▲7七飛Ⓐ ▽6八玉 ▲7八飛 ▽6七玉
▲6八歩Ⓑ ▽6六玉 ▲7六飛 ▽5五玉
▲4五飛 ▽6四玉 ▲7四飛 まで27手詰
Ⓐ:▲4七飛は▽5七桂で不詰
Ⓑ:▲4七飛は▽5七香成以下、
――▲7七飛▽6六玉▲4六飛▽5六銀(限定打)で不詰
――▲4五角▽6六玉▲4六飛▽5六香打で不詰
下端でのターンは前回のNOTEと同様(上図:7手目~14手目のように)回転ギミックを用いたが今回はそれだけでは終わらない。太字手順で示しているように、その後7筋の飛車が1マスずつ下がる手順を組み込んである。エレベーターは飛車が2マスずつ動く的なイメージをわざと外していて、こう変化させるのも個人的に面白い気がする。
2.「四九四」(非回転ギミック)
応手が1通りで手順も短いので1.よりも遥かに簡単だ。答えはすぐ下にある。
【手順】
▲7四飛 ▽5五玉 ▲4五飛 ▽6六玉
▲7六飛 ▽5七玉 ▲6九桂Ⓐ ▽6八玉
▲7八飛 ▽6九玉 ▲7九飛 ▽6八玉
▲6九歩 ▽5七玉 ▲4七飛 ▽6六玉
▲7六飛 ▽5五玉 ▲4五飛 ▽6四玉
▲7四飛 まで21手詰
Ⓐ:▲4七飛・▲4九桂は▽6八玉で打ち歩詰めを回避できなくなる
ややこしいのは7手目だけで、▲4七飛や▲4九桂だと将来的に▲6九歩が打ち歩詰めになってしまう。それを回避するため、上図(7手目)のように「ターン場所はここですよー」とばかりに6九に桂を設置して誘導すると、素直に復路のレールに乗ってくれる。「四九四」のターンには、どうやら持駒桂歩との相性が良いらしい。
まとめと今後の課題
2列エレベーター「四九四」の作成をする上で、ターン時において持駒桂歩と相性が良いことが分かった。(高すぎる)最終目標は四段目以下のエリアを大きく一周する2行2列複合エレベーターの作成なので、ぶっちゃけこんな程度で喜んではいられない。その前に、クリアしないといけない課題がまだある。早速(1行or2行)エレベーターの非回転ギミックを使った最遠往復「191」にかかるとしよう。
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窪田義行(空気から整えていく 環境派)様:拙エレベーター詰に対して”詐術的印象を与える”という意味合いの心温まる難癖を頂戴致しましたので、著作をここで宣伝しておきます。
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