【将棋】振り飛車の変遷イメージ
ひとつだけ詰将棋(10手台)でも出しておきますね。
ざっくりとした四→中→三というトレンド
2000年頃は四間飛車・藤井システムが大流行していました。居飛車は単純な四枚穴熊を組みづらくなったので、その代わりとして玉を角筋から避けて組む天守閣美濃や米長玉、串カツ囲いなどを導入しましたが玉頭がネックとなっておりました。そこで、陣形の低いミレニアムが考案されて、一時期は四間飛車に対して一定の成果を得ました。
しかしながら、ミレニアムは対四間飛車に特化したような戦法で、組み上がるまでに手数を要します。自分は対三間飛車にミレニアムを使っていた時期がありましたが、石田流やかなけんシステムの速攻のせいでほぼほぼ負かされました。ミレニアムは振り飛車全般には使えない囲いです。最終的には、隙を極力無くした銀冠穴熊(+松尾流穴熊)が決定版になってノーマル四間飛車は指されなくなりました。
個人的なイメージですが、現状の四間飛車は角交換四間飛車が最もバランスが良いんでしょうね。あと忘れられがちなマイナー戦法&奇襲戦法として、立石流や錆刀戦法、魔界四間飛車、筋違い角四間飛車、角頭歩経由の四間飛車、レグスペなどがあるんで、四間飛車の第二波が来た時にはそれらも見直されればいいなと思います。
さて、四間飛車が下火になるとともに先手番・後手番関係なく中飛車が流行り出しました。先に流行ったのは後手番(ゴキゲン中飛車)でしたが、そう長くは続かず超速▲3七銀や対三間飛車に押されるという形で余り見なくなりました。中飛車は2枚目の金を囲いにくっつけて堅陣を築くのが難しく、強い戦いがしづらいので徐々に指されなくなっていったのでしょう(東大流左穴熊も含めて)。
かまいたち戦法やカニカニ銀みたいな特殊な序盤勝負型の方がまだ強い戦いができるイメージがあると言いますか、風車やツノ銀中飛車のように自陣全体に戦力を分散させてしまうと指し手が受け身的になります。銀冠や居飛穴に組みかえられる前に何かアクションを起こすことを求められますが、細い攻めをつなげて勝ち切るのは容易ではありません。経験的に、中飛車は自陣に気を遣いながら小さくポイントを稼いでいく戦いになりやすいので、短い時間だと考えることが多くて大変な戦法だと思います。
こういった背景があって、序盤から隙があれば速攻が可能(対居飛穴用トマホークやかなけんシステム)で、かつ堅い美濃囲いもすぐに作れる現代将棋の感覚に合致した三間飛車隆盛の時代に至っているのでしょうね。
向かい飛車の時代もそのうち来るはず
そういう意味では、向かい飛車も三間飛車と同じくらいのポテンシャルを持っているはずなんですが大流行する兆しがないし、専門書も他の振り飛車に比べると少ないですね。中飛車と出だしが似ているので、現状は中飛車の裏の顔みたいな立ち位置になっている感じでしょうか。
種類としては、ノーマル向かい飛車以外だと升田流向かい飛車、阪田流向かい飛車、公望流メリケン向かい飛車、鬼殺し向かい飛車の4つが旧来からありました。最近では、角道オープン向かい飛車、ダイレクト向かい飛車、角頭歩経由の向かい飛車、筋違い角向かい飛車(対石田流用こなたシステム)などが加わったことで、向かい飛車1本でも戦えそうなほどに充実してきましたね。
さらに、相振り飛車においては飛車をより左翼に振っている方がお得という偏見からすると向かい飛車は有用です。現代相振り飛車の開戦は角道を止めるのがリスクになるくらいに速くなっているので、そういう意味では向かい飛車は速攻態勢(先手番なら8八飛・7七桂・6六角)をスムーズに築けるという利点があると言えます。
こういう流行りそうな材料が揃っていることから、自分は向かい飛車の時代がそのうち来るだろうと確信してやまない訳なんであります。
( 'ω' ).。oO( ほんまでっか?