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一次創作小説倉庫(灰音ハル)

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小説置場です。140字関連、掌編、短編、長編とジャンルばらばら。お好きにお読みください。
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2021年10月の記事一覧

【短編】冬の朝の僕に贈る

【短編】冬の朝の僕に贈る

 サンド、ウイッ、チが

 サンドウイッチが好きだった。テレビの中の人が食べていたから。綺麗な服を着て、綺麗な部屋で、傷一つない綺麗な顔をした人が食べていたから。味なんかどうでも良くて、ただ綺麗なものに憧れた。あのサンドウイッチを食べたら、自分も同じようになれると思った。傍から見える自分が、鏡に映った自分が綺麗になったような気がした。だから、サンドウイッチが好きだ。開いた記憶のない黄ばんだカーテン

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