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2024年の長月を振り返る

9月ってこんなに暑かったっけ?という話はすでにいろんな人が書いているので割愛します。9月ってこんなに三連休が多かったっけ?という話も同様。ま、こっちは単に暦の都合でしょう。

ところで三連休というと今年はあと2回もあるらしい。手元のカレンダーを見ると10月12日から14日までと11月2日から4日までだって。

「日本人は働きすぎだ」と社会に出たばかりの頃は言われていて「そうだそうだ」と思っていたんだけど、最近は「ニホンジンハヤスミスギデス」なんて外国人から斜め下に見られているんですって。そしてやっぱりその意見にも「そうだそうだ」と思う僕は日和見主義者なんでしょうかね。

と、いうことで枕ではちっとも9月に触れていませんが、とりあえず振り返ってみることにします。はて何があったっけ?


9月の電気代

僕が飼っている犬は極端に暑さに弱い。夏場など放っておくとすぐに熱中症でひっくり返る。だから6月から8月いっぱいわが家では冷房を入れっぱなしということになる。

幸い奥さんも暑さに弱いタイプなので文句は出ない。僕は一枚多めにシャツを着ればいいし、必要なら長袖で過ごせば済む。それで家庭円満が得られるならば安いものだ。

ところが今年の夏はどうだ。9月になっても連日35度前後。こんな酷暑で冷房を切ったらたちまち愛犬は虹の橋をわたってしまうだろう。ただでさえ彼(雄です)は夏バテ気味である。

当たり前のように9月の間ずっと冷房は入りっぱなしであった。いったい電気代はいくらになるのだろうか。9月だけでなく、この夏の電気代をトータルで計算してみようか。

考えただけでゾッとする。おかげでしばし暑さから解放される。


クラロス

昔からあまりテレビドラマを見るほうではないのだが、時折ハマることがある。ちょっと前だと『作りたい女と食べたい女』『あたりのキッチン!』『めんつゆひとり飯』(どれも食がテーマに絡む漫画原作で女性が主役。趣味が一貫していますね)。

そんな数少ない作品のひとつに新たに加わったのが『クラスメイトの女子、全員好きでした』である(食に絡んでなく、漫画原作でもなく、女性が主役でもない)。

僕にしては珍しく、新聞の新番組紹介欄を読んで「ちょっと見てみるか」と第一回の放送を見ることにした。

そうしたらこれが面白い。原作を読んでいないので再現性のほどはわからないのだが、主役を演じる木村昴さん(ジャイアンの声優)の演技とヒロイン役の新川優愛さんのコメディエンヌぶりが実に自然で、演技臭くない。

しかも主人公の名前の「スネオ」が漢字で「脛男」っていう当て字のセンス。脛って(笑)。あと脛男の中学生時代役の及川桃利さんも情けない13歳を演じさせたら日本一だと思った。

さらになにより僕の心を惹きつけたのは脛男が女子プロオタク、しかも僕がいちばん好きだった時代の全女をこよなく愛している点だ。

部屋の壁には飛翔天女のポスター、着ているシャツには井上京子の似顔絵。さらにセリフでは「チャパリータASARI」が飛び出す。

チャパリータASARIですよ。令和のこの世界でまさかその名前を地上波で聞けるとは。まさに耳福といえよう。

他にもいろいろ語りたいのですが興味のない人にはほんとどうでもいい話のはずなのでこれぐらいで。この傑作ドラマが9月12日に最終回を迎えてしまった。これから先、何を楽しみにいけばいいのだろうか。ネトフリで『極悪女王』でも観るか。


ジーンズ

夏場は暑くて履けなかったジーンズ。9月23日に空気が入れ替わってから復活した。去年の秋からNIMUDEをこよなく愛しつつ、クラフトジーンズの奥深い世界にどっぷり浸かり、今年の頭には上野のNINOYAでBurgusPlusの928‐XXを購入。

さらに9月に入ってから「そろそろ涼しくなるだろう」と同じくHINOYAでBurgusPlusの771というモデルも購入した。前の2本はいずれも太めのストレートだが、771は膝から裾口にかけて緩やかにテーパードする。つまりやや細めのシルエットだ。

(何の話かさっぱりわからないかもしれませんがもうしばらくお付き合いください)

50も半ばを過ぎようというおっさんがドサッとしたジーンズを履いていると相当おっさん臭いかも、と怯んでいただけに念願のタイトストレート。喜び勇んで履いてみたのだが今度は裾にかけて細いぶんO脚ガニ股が際立ってしまう。

しかし僕も昨日今日脚が曲がったり股が外を向いたりしたわけではなく、それなりに年季の入ったO脚でありガニ股だ。いまさら変えるわけにはいかないし変えようもない。果たして太いモデルと細いモデル、どっちがカッコ悪いのだろうか。どっちもカッコ悪いのだろうか。

ひとつ言えるのはカッコ悪いのは僕のせいでジーンズは何も悪くない。むしろジーンズ単体はカッコいいということをここに付け加えておきたい。


ひさびさに

9月に書いたnoteがひさびさに「note注目の記事」に取り上げられた。ありがたや。

あれに取り上げられるとやはりたくさんの人に読んでいただけるのが嬉しい。そして新しい読者(フォロワーさん)が増えるのも本当に嬉しい。せっかくスキしてくれたり新たにフォローしてくださったのだから、そのお気持ちに応えたい、と思います。

ちなみにこの「街の話」は自分の中ではシリーズで「鶯谷にて」からはじまって赤堤は第2回。この先も十条、東十条、西新宿、渋谷、目白、築地などなど縁とゆかりのある街を取り上げていく予定である。

今年の春に永井荷風の「日和下駄」を読んで、恐れ多くもやってみたくなった。ほんのちょっと前の街の様子を文章で残しておきたい、という気持ちもある。

よかったら読んでくださいな。不定期で水曜に更新します。


今月読んだ本

『気がする朝』伊藤 紺 著 ナナロク社 発行

本屋の醍醐味はいわゆる“ジャケ書い”ができることだ。ちょっと変わった装丁や目を惹くブックデザインの本があると思わず手に取ってしまう。そしてパラパラとページをめくり、多くの場合はあまり内容を確認することなくレジに向かう。

こんなん絶対手に取るわ

装丁が気に入った時点で本棚に置くだけで気分がいい。内容まで良ければ最高じゃないか。

この『気がする朝』はおどろくなかれ、短歌集である。僕は不勉強ながら、そして曲がりなりにも文章を書く仕事をしていながらこれまで短歌を意識したことがなかった。そんな短歌チェリー脳に一首ごと染み渡る歌。新鮮な刺激を味わうことができた。

せっかくなので気に入った歌を3つ。

ほとんどの願いは別のかたちで叶いほとんどの人はそれで幸せ

ゴミ捨て場へと続く道歩くとき人生のこといつも思うの

いつのまにわたしなんにも待ってなくてたまに出かけてゆくだけなのです

なんだかしみじみと、いいな短歌。やってみようかな。

今月は他に『白鳥とコウモリ』(東野圭吾)『神の子どもたちはみな踊る』(村上春樹)『この曲のドラム/ベースを聴け』(ニュージックマガジン)『おじさんはどう生きるか』(松任谷正隆)『クロ日記』(沢野ひとし)を読みました。


あっという間に今年も残すところ3ヶ月。ここ1週間でようやく季節が進んでくれましたが、10月はもうちょっと本気で秋めいてほしいと願わずにはいられません。

【おまけ】
こないだ「十条にて」を書くための取材で十条駅の商店街を歩いていたら、逆にテレビ朝日のクルーに取材を受けることに。なんか新番組らしいけどウェンツが司会で…とはクルーの弁。

いろいろ聞かれたんだけど「最近入れてよかったアプリは?」の質問に食い気味に「ライトルーム!」と答え、いたずらに編集点を作ってしまいました。だけど本当によかったんだもの。

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