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【詩】3月26日に


嫌いになれないんだよ、って
最強じゃないか
羨ましくて
そこにもう僕ができることはなにもなくて
今日も桜はまだ咲かなくて
美味しくない朝食と
溜まっていくダイレクトメール

僕らが眠っている間に
何度か月が姿を現していたらしい
寒くてつめたい雨の降る夕方
あのひどく乾燥した砂漠の街で眠る少年のことが
ほんの少しだけわかる気がした

きみと僕は違っている
それでよかったと思う
その放棄、無責任、主観をぞんざいに扱うその意思が
絶え間ない葛藤をきみに生み出しているのだとしたら
僕はきみのために
涙を流せるのかもしれない
きみは優しくて
途方もなくさみしい人だと
僕は知っています

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