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無題〜それはだれの傷痕なのか〜

幼少期に大人の手によって、それも身近な人の手によって害された何かを、

その何かと共に大人になりながら壊れゆく自分自身を眺めながら、

あれは何だったのかと、悪いのは自分だったのか、自分ではなかったのかと

壊れた人生を眺めながら、ただ眺めながら、ただ涙を流すだけ。

そうやって生きている人が星の数よりもっとたくさん。うんと側にいるはずだけれど。何故か誰にも見えない透明な天使のように、世に映されない。

それは小さな女の子だけではなく、男の子も同様で、また成長していく途中でも、成長し終えて尚いまでも、同様の危険と恐怖の可能性が降る。降る予感に怯む。そんな小雨に濡れて熱をだすような、凍りつく予感をいつも帯びている。

いつも帯びて生きている。

命の恐怖を帯びて生きている。

命の恐怖を帯びて、それは生きているのかどうかも自分でわからなくなる。

水面下に山ほどの、サメのような、狼のような、白く美しくない白鷺の着ぐるみのような、色々な困った形をした特殊な、その人間になり切れないでいる獣動物たちが、良心を持たず、蠢いている。

自分を助け、相手を助け、
手当をしながら、それでもこれからの子供たちのためにと一肌脱いで、果敢に挑んでいる人たちもいる。

どうかその人たちが守られますように


子どもたちよ

相手をよく観察することだ。
誰にも言わなくていいから
自分の感覚は、きみの感覚は、
間違いなく「正しい」
いまはなす術がなくとも
同じように生きてきた大人が
遠くからどうやって
きみを救い出そうか
悩んで考えて、取り組んでいる。

悪い大人だけではない。

しかし、良い大人だけでは決してない。


待っていなさいね、なんて無責任を言えはしないけれども、力をつけることです。知恵を養って、機を待つんです。


それから一つも、悪いことをしないことだよ。良い人間でいることは後で君を守ってくれる。悪いことを一度でもしてしまったならば、もっとひどいことが待っている。今より状況は悪くなる。君はちゃんと大人になるから、今いる人たちに惑わされる必要はない。判断に迷ったら法律に従えばいい。自分の心が合っているのか心配ならば、たくさんの大人に質問をして、誰がどう言ったかを比較してみよう。表情を読もう。感覚は案外正しく、そしていずれ君を守る武器になる。判断ができなくてもいい、10年毎日日記を書こう。これは絶大な武器になる。大人になってから自分で見定めることができるだけでなく、重大な場面で貴重な資料となり、それが力を持つこともいっぱいあるから。

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